PiPi's World 投稿小説

強制結婚制度  第U章
官能リレー小説 - その他

の最初へ
 33
 35
の最後へ

強制結婚制度  第U章 35

拓斗達が係員に連れられて部屋に入ると何処かで見かけた様な少女が立っていた。
少女は拓斗達を見掛けると「あの初めまして倉島明日香です、よろしくお願いします」と言いお辞儀をした。
拓斗達は一瞬考えると真紀が思い出し「あっあの日本新体操界の期待のホープ、倉島明日香さん?」と言い出した。
「はい、そうですけど…」と明日香も少し戸惑いながら答えた。
そして「…その『期待のホープ』というのは恥ずかしいのでちょっと…」と顔を少し赤くしながら付け足した。
拓斗は全て納得した……要はこれから日の丸日本を背負う若手ホープ同士をこの制度で結婚させようとしているのだ。一般にプロやアマチュア問わずにスポーツで身を立てる者の結婚は晩婚化と離婚の傾向が高い……それなら若いうちから夫婦にさせればどうだと言う魂胆があったが流石に係官も当事者も想定外の展開に驚いた。サッカーで言えばプレー中に闖入者が突如乱入してくるようなもんである。四人はどう切り出すか迷ったが係官もこの事態に頭を抱えている。
「私はいいよ、彼女が拓斗の奥さんになっても」
真紀が切り出すと美樹も頷く。
「おいおい……」
「でも…迷惑じゃありませんか?」
「係員さんもその方がいいじゃないの」
真紀の言葉に係員は驚く。
「今回は協会同士が後押しした様な物で……できれば真紀さんと美樹さんには……その夫婦関係を取り消して、無論今回はこっちの不手際と言う事で離婚にはカウントしません!」
拓斗は呆れて物が言えない。
でも係員も咄嗟の事で自分で何を言ったのかよく分かってないようだった。
でも、この係員の言った事はつまり
「自分の愛している人と別れて、自分の知らない人と結婚しろ!」という乱暴な言葉だった。
少し冷静になろうとしたが、あまりに納得がいかない。

そして拓斗は静寂を切り裂くように静かに、でも怒りを込めて言った。

SNSでこの小説を紹介

その他の他のリレー小説

こちらから小説を探す