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僕は支配者
官能リレー小説 - その他

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僕は支配者 4

僕はそう言うが三人はあまり乗り気ではない。勇二が出てくることが好ましくないような雰囲気がある。
「実は…勇二氏はややこしい立場にありまして…、浩太様とは本当の兄弟ではないのです」
絵理奈さんが言う。彼女は冷静さを取り戻しているようだ。
確かに勇二の顔は僕と全く似ていないので驚きは少ない。そのせいで比べられて嫌な思いはしてきたが…。
「それなら勇二を引き合いに出さずに僕をそのまま支配者にすればよかったじゃないか」
「いえ、王の血筋ではあるのです。この辺りはややこしい話になるのですが…」
何がどう複雑なのかは誰も言おうとしなかった。僕はそれでますます勇二と話したいと思った。
拉致のような形で連れてきただけでなく弟を呼び捨てにして悪口三昧、直接勇二とやり取りをしなければ彼等に良いように決裂させられるのが目に見えていた。
「勇二はどこに居るの?」
「勇二氏には別の部屋で待機してもらっています」
「じゃあ、行こうか。勇二の部屋に案内してほしい」
「…わかりました。こちらへ」
将之さんが渋々といった感じで先導し、僕は勇二の居る部屋の前まで移動する。
そこは屋敷の奥まった場所にあった。さっきまで僕が居た部屋と比べたら明らかに質素な扉を開ける。
「勇二、入るぞ?」
ノックをして中に入る。
そこにはベッドに腰掛け、漫画を読んでいる勇二の姿があった。勇二も拉致された時に脱がされており、全裸だった。
確かに自分もここに来た時は何故か脱がされていたなと思いながら、改めて見るとやはり勇二はカッコいいと思う。
母さんに似た顔立ちで、身長も高い。
「兄貴、説明は受けたよ。俺か兄貴に支配者になれってさ。俺は兄貴の方が相応しいと思ってるんだけどなぁ。俺は兄貴の事を尊敬してるぜ?だから、兄貴がどうしてもっていうのなら、引き受けても構わないかな」
勇二の言葉は本当に心の底からの物なのか、それとも何か思惑があって言っている事なのか。
将之さん達が言っていたことを思い出し、僕は判断に迷う。
「勇二、お前はそんなに簡単に自分の将来を決められるのか?」
「あー、もう。そんな言い方はないだろ?俺の人生だぞ?」
「僕の人生でもあるんだよ。母さんが亡くなって、ずっと慌ただしく暮らしてきて、やっと落ち着けるかと思ったら今度は後継問題だなんて…。勇二、お前はもっと真剣に考えるべきなんじゃないか?」


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