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僕は支配者
官能リレー小説 - その他

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僕は支配者 3

ここで実家・山口家について説明しよう。
先ほども述べたが、専業主婦だった母さんは僕が小学生の頃に亡くなり、地方公務員の父さん、大学生の姉さん、中学生の妹、そして、中学生の弟・勇二と、父子五人で暮らしている。
ちなみに、勇二と妹は双子の兄妹だ。

勇二は僕よりも成績優秀で私立中学に通い、そこのバスケ部のレギュラーで、友達も多い。しかも、母さんに似て顔立ちは整ってる。
それに引きかえ、僕は中学・高校いずれも公立で、部活動もバイトも塾通いもせず、友達皆無だ。しかも、父さんに似て地味顔だ。

普通に考えれば、勇二を支配者にしそうなものだけど……。
「あのワガママな山口勇二を我が国の支配者に?ご冗談を」
顔は変わらず微笑を浮かべてはいるが、眼が笑っておらず、嘲るような口調で弟の名前を呼ぶ将之さん。……って、勇二の事、呼び捨てにしてるよ。しかも、フルネームで。
「なんだか気分が悪い。なんで家族の事をフルネームで呼び捨てにされなきゃならないの?」
確かに勇二には嫉妬してばかりだった。
しかし、嫌いではなかった。そんな弟を呼び捨てにされれば嫌な気持ちにもなってくる。
「し、失礼しました。」
僕の気持ちを察したらしく、将之さんが頭を下げ、絵理奈さんが代わりに話す。
「私たちは100日かけて、浩太様と勇二氏のどちらが支配者に相応しいかを、失礼ながら、調査していました。それから、協議をつくして、勇二氏は相応しくない、浩太様が相応しい、と決定しました。」
「あ、いや、こちらこそ、将之さんへの言い方がキツかったです。……それで、絵理奈さん。勇二が相応しくない、というのは何故ですか?」
「勇二氏は、自分が放課後に部活動や友達付き合いができ、勉強する時間を長くとれるのは、浩太様が山口家の家事を一手に引き受けているおかげだと解っていません。むしろ、家事を言い訳にして勉強や友達付き合いを疎かにし、部活動もバイトも塾通いもしない、恥ずかしい兄だとバカにしています。」
「それは……。」
「身近な兄の働きを正当に評価できない人物になど、私たちは支配されたくありません。」
「どうしてこうも勇二を悪意たっぷりにこき下ろすんだ?自分が知ってる勇二はそんなんじゃないぞ!」
思わず語気を強めて言ってしまう。
「私だって、他人の家族を分断させるようなこと言いたくないわよ!でも、仕方がないじゃない!私たちにはもう時間が無いのよ!あと80日間以内に、どっちが支配者にふさわしいのか、決めなくちゃいけないのよ?あなた達兄弟がいきなり後継者争いに担ぎ出されたせいでね!」
それまで冷静沈着だった絵理奈さんが声を荒げて叫ぶ。
その迫力に押されそうになるけど、こちらも引き下がれない。
「とにかく、勇二を連れてきてくれないか?こうなったら兄弟二人だけでとことん後継者とやらについて話し合うから」

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