不思議なノート 2
…でも、ホントにホントなのかな?
好奇心から、ちょっと試して見ることにした。
…そういえば、この間姉ちゃんに貸した五千円、まだ返してもらって無かったな。
「倍にして返せ」って書いたら、一万円くれるのかな…
…試しに書いてみるかな?
『望月亜美 3月1日、望月達弥に貸した5000円を倍にして返金する』
…こんなんでいいのか?
そして、果たして本当になるのだろうか。
ノートを閉じて、机の上に置いて、ベッドに寝転ぶ。
すると姉ちゃんが部屋のドアをノックした
「入ってもいいかな?」
「うん。いいよ。」
体を起こして返事をするとドアを開けて入ってきた姉ちゃんが1万円札を俺に差し出した。
「はい。これ。あなたに借りてたお金。」
「あっ、あー、うん…」
「倍にして返したぞ〜、優しいお姉ちゃんだと思いなさいよねっ」
「あ、ああ…」
姉ちゃんはドアを閉める。
「マジだった…マジだったよこれ…」
…身震いがした。ばあちゃん、これいったいなんなんだよ…
………ぐぅぅぅう
「腹減ったな」
いつもなら夕食の時間だ。
…しかし、ウチの母さんは看護師長…つまりナースの中で一番偉い人らしい(どういうものなのか俺もよくわからん)
なので、勤務時間は不定。今日も帰りはいつになるのか。
じゃあ姉ちゃんに作ってもらうか…と思いたいが、ウチの姉ちゃんは料理が大の苦手。
俺はそうでもないんだけど、今日はなんか疲れてやる気が起きない。
…ああ、隣の部屋の…確か新婚の人妻…でも旦那さんがいきなり単身赴任だとかって母さんが言ってたな…