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生き残っているのは?
官能リレー小説 - その他

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生き残っているのは? 2

女子の顔は幼なじみの倉木冴子だった。
次の瞬間僕の後ろの方から「パァーーン」というでかい音が聞こえ振り返ってみると美女が拳銃を構えて立っていた。そして、男の方を見ると男が頭から血を流して全然動かなくなっていた。
「き、君は誰?」
「私は所轄の刑事よ。元刑事って言った方がいいわね。私とあなたとそこの女子生徒以外誰もいないから。」
「あ、あの・・。」
「話はあと。その子を連れてここを出ましょう。」
僕は放心状態の倉木をおんぶして美人女刑事さんと一緒に校庭に出る。
僕たちは歩きながら話している。
「その子は君の知り合い?」
「はい。友達というか幼なじみです。あなたは、ほんとに刑事さんですか?」
「ほんとよ。」
女刑事さんは警察手帳を見せてくれた。
「ここからすぐ近くの○○署に勤務していた伊藤まりよ。よろしく。」
よろしくと言われても、僕は信用出来ずにいた。
どう見てもさっきのは、襲っていたのは冴子だったし、助けを求めていた男を、躊躇なく撃ち殺したこの女刑事も、なんだか怪しい。
それにさっきまであんなにセックスに狂っていた冴子が、男が死んでから大人しくして付いて来ているのも、なんだか不気味だ。
僕の本能が、このまま付いて行っては危険だと、警告を頻りに送っていた。
「あの、……ところでさっきは何で、男を射殺したんですか?」
僕は意を決して聞いてみる。
この反応次第では、戦闘も考えなけてば成らないよう。
「さっきのはどう見ても、冴子が襲い掛かっていたのに……」
「あはは、キミ面白い事言うのね。
 だってあの男は、もう使えなくなっていたじゃない」
「!!」
「そ・れ・に、新しい男もこうして手に入ったから、古いのは要らないじゃない!」
「なっ!」
「さあ、着いたはここが私達の今の家よ」
しまった!
予想外に近場だった上、話しに気を取られて、目的地まで来てしまった。
よく見ると警察署前の路上には、先程の男の様に異様に痩せ細った男達が無残に捨てられ、屍の山を築いているではないか。
そして、建物内部からは微かだが女達の喘ぎ声が漏れて着ていた。
(このままじゃ、ヤバイ!)
僕は反射的に身を翻すと、全力で走り出す。
だが、背後から銃声が聞こえたと思うと、僕の隣りを弾丸がかすめて飛んで行った。
「あれれ〜?どこに行こうとしてるのかなぁ?」
「龍次……どこ行くの?
 私、ここまで我慢してたんだよ……」
銃撃に驚き足を止めてしまった僕に、女刑事のまりと今までずっと黙っていた冴子が、話し掛けてくる。
(ヤバイ、ヤバイぞ、このままあいつ等に捕まれば、そこに転がっている男達と同じ末路だ)
僕は必死に考える。
よく分からないけど、あの僕が引き籠もっていた数日で、やっぱり世界はおかしくなっていて、それは女達がセックスに貪欲になる類いのもので、捕まったら最後、男は死ぬまで搾り尽くされる、そういう世界になってしまったようだ。
「さあ、大人しくこっちへ来なさい」
「気持ちよくしてあげるわよ、龍次……」
二人の優しい口調が逆に恐怖感を煽る。
大人しく従って、あの男達のような死に方をするのは御免だ。
だが、このまま逃げて撃ち殺されるのも嫌だ。
どうする建物に入ったら最後、死だ。
なら、建物には入らなければ……

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