PiPi's World 投稿小説

新しい人生
官能リレー小説 - その他

の最初へ
 2
 4
の最後へ

新しい人生 4

栗子ちゃんに言われるまま抱きしめると、突然目の前がまぶしく光り始めた。
そして、どこからか謎の声が聞こえてきた。
『その女が好きか?』
「ああ!大好きだ!もう放したくない!」
『なら、もう一度やり直すチャンスをお前たちにやろう。その女と付き合って人生をやり直してみろ』
あまりの眩しさに手をかざし、栗子も訊いた。
「私にもやり直す機会を貰えるのですか??」
『左様。その気はあるのだな?』
「はい!!」
『なれば、お前たちは元の世に戻るがよい』
光はますます強くなり、何も見えなくなった。司馬山茂も、楠木栗子も、互いの肌と温度、それに声が、お互いが共にあると知る手だてだった。

「あれ?ここは……?」
「俺の家だ…」
「司馬山さんの家…ですか?
あれ?そういえば…なんだか長いこと使われてなかったような」
「ああ…そうだね」
「それに、服も…」
「俺のは自殺した時のだ。栗子ちゃんのその服は…?」
「あっ!これ、映画『真冬の短冊』の時の衣装じゃない」
「そうだよ!これ着てたよね!その姿がすっごく可愛かったんだよ!」

また謎の声が聞こえてきた。
『言い忘れたが、お前たちの年齢は20歳に戻して職業は無職にしておいたぞ。また一からやり直すがよい。』
その声は聞こえなくなった。
「そんな、勝手な。」
「でも、仕方ないですよ。神様の言うことには逆らえませんから。」
「やっぱりこれは神様の采配か。20歳…そういえば栗子ちゃんも、若返ってるような」
「何よ、そんなに老けてなかったよ」
「そんな意味じゃないよ。デビューしたころの、まだ大人の女になり切ってない可愛さを取り戻してるって意味だよ。ほら、そこの鏡を見てみてくれ」
「あ…本当だ。……司馬山さんは司馬山さんで、ちょっとさっぱりした感じになってるかな」

二人とも、部屋にあった鏡で自分の顔を確認した。それで互いの指摘が本当だと気付いた。
司馬山は自宅の中をあちこち見た。記憶にあるより内装や調度品がやや新しい事と、遺書が無かった事以外はそのままだった。そして窓の外を見ると。

SNSでこの小説を紹介

その他の他のリレー小説

こちらから小説を探す