書き換えノート 3
体育の授業になった。
今日は柔道で、俺は美咲とやる事になった。
「じゃ、はじめようか、橘」
「ひっ、こ、こないで……!」
蒼ざめた顔で俺から逃げようとする美咲。俺はゆっくりと近づくだけだ。
すると、彼女は背中を向けて逃げ出す。
「こら、橘! 何をしているんだ!」
先生が怒鳴る。
どちらにしろ逃げ場は無い。
「そ、その……体調が悪くて……」
美咲は必死に言い訳を絞り出す。
「そうだったんだ、気付かなかったよ橘さん。じゃあ、僕が保健室に送って行こうか?」
俺はぬけぬけと口にした。
「だ、大丈夫です! 調子は良くなりました!」
人気が無い場で犯される可能性に思い至った美咲は必死だ。
一応、学園の状態は元に戻してある。男がいることで都合の良いこともあるし、美人を呼ぼうと思えばいつでもできる。たとえば、「他にも男がいるなら僕を止められる」なんて彼女が考えているのも一例だ。
「じゃ、始めようか」
そう言って、僕と美咲は乱取りを始める。
「う……くぅ……」
俺が組みついただけでこのざまだ。