全てが叶うスマフォ 13
激しい痛みはないとスマフォで設定はしているが、一応罰ゲームなのだから、少しの痛みは覚悟してもらわないといけない。
桃子と愛理は目に涙をためて堪えている。
「桃子ちゃん、愛理ちゃん、ごめんね…」
真理子が二人に言う。
この3人は普段から大の仲良しである。
それがこういうことになってしまうのは見ている俺としても心が痛む。
「いいの…これも、一郎君が私に課した試練なのよ…」
桃子が言う。
まあ、そうだな…
これは罰ゲームなのだと、かわいそうな気持ちを抑え、心を鬼にする。
ズブッ
ボールが二人の穴に納まる。
「くぅぅっ…」
「いっ…んっぐっぁ…」
桃子と愛理は、瞼を強く閉じて、涙がこぼれ落ちるのもわかる。
ドォン
ボールは勢いよく二人の穴から発射される。
「えっ!?」
『人間バレーボールマシン』の力は俺の予想をはるかに超えていた。
愛理の穴から発射されたボールは、勢いよく飛んでいき、レシーブの体勢を取っていた渚を吹っ飛ばしてしまった。
「委員長!?」
俺はあわてて彼女の元に駆け寄る。
「一郎君…アレ、危険すぎるよ…」
ボールは顔面を直撃したが、委員長は何事もなく立ち上がる…
鼻血が垂れていて、痛々しかった…
桃子の穴からも、ボールが発射される。
「ふぁ…わっ!?」
発射された先にいた船岡千早は、何とかレシーブすることが出来たが、反動で後ろに飛ばされ、尻餅をついてしまった。
「いたたた…」
「千早、大丈夫?」
由希が千早の手を取って身体を起こす。
「一郎君…これ、想像以上に速過ぎて、怖いよ…」
千早も渚と同じ意見だ。
こんなことになるとは、俺も予想外だ。
無謀だったか…
ならば実験してみましょう…私の分析が正しければ上手くいくはず…突然、切り出したのはクラス一の秀才「原崎麻衣」
「きっとボールの重さがネックのようですから軽い「ソフトバレーボール」と公園などで売っているビニール製の「キャンディーボール」あとは、重い「バスケットボール」とトレーニング用に錘の入った「メディシンバレーボール」を用意しました。軽ければスピードが早くてもレシーブはできるはず…逆に重いボールならその重さでスピードが遅くなるのでは?」
では愛理さん・桃子さん!どのボールを穴(ア○ル)に入れてほしいか言ってください!
「じゃあ、さっきまで使ってたソフトバレーボールで…」
桃子が言う。
「痛くなければなんでもいいですぅ…」
愛理は半べそをかいていた。