PiPi's World 投稿小説

ミコ・カノ!!
官能リレー小説 - その他

の最初へ
 0
 2
の最後へ

ミコ・カノ!! 2

「僕の質問に答えてよ!君はゲームのキャラだろう!?それが何でここに…!?」
「私が主様の元にやって来た理由…それは現実世界に跋扈する魑魅魍魎共を退治するためでございます」
「ど…どういう事?」
「簡単に言えば、今までにこのゲームをプレイして来た無数の人々の“念”とでも言うべき物…それが偶然ある一点に凝縮されて具現化したのが私なのです…あ、ちなみに衣服は出現しませんでしたので、このシャツは主様が寝てる間にお借りいたしました」
「そ…そんな事が現実に起こる訳無いだろう!?」
「起こってしまったのです。私自身がその証明です」
「う〜ん…」
確かに目の前にいる彼女はゲームの“沙耶”以外の何者でもない。頭のおかしなオタク娘のコスプレなんかじゃなく“本物”なのだという事が無条件で解る。理屈じゃなくて直感でだ。
「…君の話を信じるとして…それで君はこの現実世界で何をするんだって?」
「はい、現実世界の魑魅魍魎共を…」
「言っとくけど、現実にはゲームの中みたいな悪霊も妖怪も魔物もいないよ?」
「いいえ、います!主様がご存知無いだけです」
沙耶は僕の顔を見てキッパリと言い切った。そんなに自信満々に言われると僕もつい、いるのかも…と思ってしまう。
ーーーぎゅるるるる・・・
今までの空気をぶち壊す音が僕の腹から鳴り出した。
「あ・・・」
「あっ。では朝食にしましょう。主様はお着替えと顔洗って机で待っていてください」
「いや、その・・・」
「ふふっ。お話は朝食の後でも構いませんから」
そう、まるで母の様な笑みを浮かべながらキッチン(裸シャツのまま)へと行ってしまう沙耶。
ベットの上、寝癖がついたままの状態で呆然としている僕。
恥ずかしさを抱えながらも、僕は彼女の言うとおりに着替えと顔洗いをすませる事にした。
部屋に味噌汁(インスタント)の良い匂いが立ちこめている。

「では主様、いただきましょう」
「・・・・・」
「主様?」
「へ?あっ、そ、そうだね!いただきます」
十数分後、机の上にはテレビでしか見たことのない朝食が並べられていた。
「ご馳走様でした!!」
「ふふ♪お粗末様です♪」
白米に味噌汁、漬物に魚の開き。どれもテレビで見るような朝食だけど、味も良くついついおかわりを重ねてしまう。
気がつけば、大きめのジャー(五合)を開けてしまった。
「ふぅ、美味しかったよ沙耶」
「ありがとうございます、主様」
腹も膨れ、床に胡坐をかく僕と姿勢正しい正座で笑みを浮かべる沙耶。
とても先ほどのシリアスな空気など存在しない。
でも、
「主様」
「うん。分かってる。沙耶、教えてくれないかな?」
「わかりました。まず、主様や他の方々はご存知無いだけでなく、「表」の世界の住人は「裏」の世界を知るなどまぐれや偶然でもないかぎり万が一、億が一の確立でありえません」
「うん、僕だって、この現実世界に悪霊や妖怪が存在しているなんて信じられない。話は良く聞くけどね…」
「そういった話の類は殆どが作り話や当人の勘違いです。幽霊の正体見たり枯れ尾花…。ですが中には本当に“裏の世界の住人”達による物もあるのです。先程も申しました通り、普通に生きている人がその類の者に出会う事など、まぐれや偶然でない限り有り得ません。ですが、それでも出会う人は0ではない…。中には人間に害を及ぼす者もいます。私が現れたのも、そういった“裏”の者達と戦い、人々を救うためという必然性あっての事なのです」
「うん…」
「信じてくれと言う方が難しい話なのかも知れませんが…」
「いや、信じるよ。だって沙耶が現実に現れたんだもんな…。その沙耶が退治すべき妖怪達もいるんだろうさ」
僕がそう言うと沙耶の表情がパァっと明るくなった。
「嬉しい!主様、ありがとうございます!」
「良いんだよ。それより君の戦いの助けになるような事で、何か僕に出来るような事あるかい?」

SNSでこの小説を紹介

その他の他のリレー小説

こちらから小説を探す