ファー・ミリア王国の人々(旧版) 2
そして少年は、この漁村の近くに屋敷を構える侯爵家の息子、いわゆる【貴族】である。
このファー・ミリア王国に住まうミリア人には、独特な規範があり、王族も平民も、それを徹底して教えこまれる。
『王族、貴族、士族は、自分より低い身分の者に限り、性的奉仕をさせる権利がある』
『王族、貴族、士族、平民は、自分より高い身分の者に命じられたら、性的奉仕をする義務がある』
これは、ミリア人にとって、疑う余地のない常識である。
少年と少女は、幼い頃、共に地元の学校に通っていただけで、恋人同士ではない。片方がもう片方に、一方的な愛情を向けているわけでもない。
平民の少女にとって、貴族や士族に抱かれることは、10歳で処女を解消してからは日常生活の一部となっている。
貴族の少年にとって、平民や士族の女に手をだすことは、10歳で精通を迎えてからは日課となっている。
【女体が欲しくなった貴族の少年が、手近な民家を訪れ、その家の娘に性的奉仕をさせる】
この国では珍しくないことだ。
いつしか、平民の少女は絶頂の高みに達した。
「はあぁぁぁあっ!!!」
背は折れんばかりにのけ反り、日焼けの美しい肌に浮いた汗が散ると共に黒髪が宙を舞う。
達したと同時に彼女の蜜壷は凄まじく収縮、少年もまた快楽のピークを迎えた。
「くぅ! 出すぞ!!」
男根の先から熱く粘り気をもった白が吐き出されて子宮口に凄まじい勢いで叩き付けられる。
何度か痙攣するように間隔をつけて発射された精液が膣の中を満遍なく満たし尽くしていった。
その熱と絶頂の余韻に意識を満遍なく蕩かされた少女はそのまま下の少年に倒れこんだ。
「はぁ…はぁ…」
彼女の濡れた唇から荒い息が零れ、呼吸の度に震える身体もまた汗で艶やかに濡れていた。
「今日のわたし、どう…だった…?」
「ああ、八日ぶりに抱いたけど、すごく良くなってた」
「ありがとう……」
「お前の彼氏は幸せ者だよ。こんな気持ちいい身体の恋人がいるんだから」
「ふふ…、その言葉、彼も嬉しがるわ」
ミリア人の男は、自分よりも身分が高ければ、妻や恋人が、他の男に性的奉仕することを嫌がらない。
ミリア人の女は、自分より身分が高ければ、夫や恋人以外の男に性的奉仕することを嫌がらない。
それは、ミリア人にとって、空気を吸うのと同じぐらい「当たり前のこと」だからだ。
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