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サムライ・ブレイド
官能リレー小説 - その他

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サムライ・ブレイド 2


さて、麻衣を連れてやってきた場所は銀狼が出たと言う山岳地帯。
ゴツゴツした岩や岩肌がいっぱいに広がっている所に彼らはよく現れる。

「あ、あうぅ・・・。少し緊張して来ました」
籠手を着け、後は何時もの和服姿の麻衣が手に持っている弓、戦弓“真式”を胸に抱きしめながら硬い声で言う。ちなみに、彼女の五行は「雷」、流儀は「連射」。
ぶっちゃけ、古典的な弓使いだがその実力は折紙つきである。

「はぁ、麻衣。あなた銀狼相手に緊張とかしてる場合?」
そんな彼女に静香は呆れた口調で言う。先ほど言った通り彼女の実力はそこら辺にいる獣や武人よりもはるかに上で銀狼討伐も今回で丁度5回目、もう緊張とかするはず無いと思うのだが、これが彼女の「性格」なのだろう。

「グルルルルル…」
そんな話をしていると、低い獣の唸り声と共に“銀狼”が姿を現した。
「あら、おいでなすったわね…って、エェッ!?」
「か…母さま!何あれ!?怖いですぅ…!!」
現れた銀狼は普通の銀狼ではなかった。何と、首から下が人間の体をしていたのだ。その体は銀色の獣毛に覆われているが、確かに人間の男性の肉体だった。銀狼というより人狼だ。そしてその股間には赤黒い男根が猛々しくそそり立っていた。
「か…隠れキャラかしら!?麻衣、まだ攻撃しちゃダメよ!」
「は…はい!」
相手の実力が判らない以上、下手な手出しはかえって危ない。何しろ人型の銀狼など見た事も無いのだ。銀狼の上位互換キャラが居るという話も聞いた事が無い。

「ガァッ!」
「っ!麻衣!」
「は、はい!」
お互いにらみ合いの硬直状態であったが、それを破ったのは銀狼(?)の方であった。
一声と共にフルスピードで接近するのに、一瞬驚愕の表情をする静香だが素早く麻衣に声を掛ける。
彼女もそれが分かっていたようで、答えると同時に10本の矢を雷を纏わせた状態で放った。まるでレーザーの様なこの技は「後光」と二人は呼び合っている。
「ギャッ!!?」
「あらあら。何時もの奴らなら今ので倒せるんだけど、さすが隠れキャラと言ったとこかしら?」
通常の銀狼なら今の技を認知する前に倒していたのだが、この銀狼ギリギリのタイミングでかわしたが矢の何本かは刺さっている。
「でも…これで終わりよっ!」
「ウガアァ…ッ!!」
銀狼は再び静香と麻衣に向かって飛びかかって来た。
静香は腰に差した刀の柄を握り締めると、抜き様に斬り付けた。
だが…
バキィンッ!!
「う…嘘!?剣が…!?」
銀狼が腕をひと払いしたかと思うと、刀は真っ二つにへし折られてしまった。
「ガアァ…ッ!!」
そして銀狼は返す手で静香の鳩尾に拳を叩き込んだ。
「母さまぁっ!!」
麻衣の叫び声が響く。静香はそれに応える余裕も無く、地面に膝を着き、そしてバッタリと倒れ込んだ。

「やられたぁ…くそっ!何なんだよアイツ…」
俺はパソコンの前で悔しがった。だが、すぐに異変に気付いた。
「あれ…?」
おかしいのだ。
いつもならゲームオーバーになったらオープニング画面に戻り、そして江戸の街の自宅からやり直し…という風になるはずなのだが…。
「戻らねえ…」
パソコンの画面は地面に倒れ伏した静香と涙を流しながら慌てふためく麻衣の姿を映し続けている。
「まだゲームオーバーじゃねえのかなぁ…?」
だが、いくらマウスやキーボードを弄ってみても、静香は何の反応も示さない。一体どうなってるんだ?
そうこうする内にも画面の中では、麻衣も成す術も無く鳩尾に拳を打ち込まれ、静香の隣に倒れた。二人とも気絶しているだけらしく、白目を剥いて小刻みにピクピクと痙攣しているのが分かる。

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