神願い!! 2
………
「何だよ疲れた顔して…夕べシコリ過ぎたのかぁ?…」
物思いに耽る俺の顔を覗き込む耕哉…
「馬鹿言えよ;俺はお前じゃないだからさ!」
確かにオナりはしたけど、過ぎるほどはヤッてはいないからね…
「へぇ〜俺なんて3回もヤッちゃったぜ…しかも朝、夢精しちゃったよ;…」
耕哉…;
それってあんまし人には言わない方がいいと思うけど…
紫苑は耕哉のセクハラ攻撃に困惑した。
こんな時に「自分を引き取ってくれた人がどういう仕事をしているのかわからなくてモヤモヤする」なんて言おうものならどんな性的な言葉が飛び出すかわからない。
まず、弘和氏との関係を疑われるであろう。
それも仕方がない気がする。
あんな広い屋敷に男二人は怪しすぎる。なので弘和氏を話の中心から外す。
「いやな、家に変な発掘品みたいなのがいくつかあってな。アレがなんか気味悪いなと」
あながち嘘ではない、気にはなっていた。本当に気になるのはそれを拾ってくる弘和氏なんだが。
「それってお前の父ちゃんやってる、漣さんのだろ?…」
“父ちゃん『やってる』”って何だよ;…
まあ耕哉は俺が養子だって知っているからな。
「ああ、あの人一応発掘の仕事してるらしいからね…」
「“らしい”ってことはねーだろ、漣弘和って言ったら、発掘家として超有名人じゃねーかよ!」
そう言われてもピンと来ない。むしろ、耕哉にその手の知識があるのに驚いた程だ。
「そんなに有名なのかな…」
「ああ、どこかで神殿を見つけたとかでニュースにもなってたぞ。気づかなかったのか?」
家にマスコミが来た記憶は無かった、もしかしたら鉢合わせにならないように考慮してくれたのかも知れない。