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とある村の御祭り
官能リレー小説 - その他

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とある村の御祭り 9

神主は言った。
「確かにこのまま何もせなんだら、雄助は祭の終わりと共に消え、わしらの記憶にさえ残らん。だが諦めるんはまだ早い。」
「何か方法があるのですか。」
雄助の父が尋ねる。
「……実は古い記録によると、過去にも何度か雄助のように、祭の最中にその年の贄に選ばれた事が分かり、助かった者がおったそうじゃ。」
「それは一体どうすれば良いんです!?」
「神さんとて贄に選んだ者を問答無用で連れ去るような非道はなさらん。その者が村にとって必要な者だという事を証明する事が出来たらば、神さんも連れて行かん。」
「その具体的な方法は……!?」
「文献によると、祭の期間中に村の女を最低でも五人、孕ませる事じゃ。そうすれば神さんに連れて行かれんで済む。」
「5人……ですか」
話しを聞いた父は神妙な顔をする。
「そうだ、最低でも5人は必要なのだ」
「だが祭りは既に1日終わり、年頃の女達は皆、子宮に子種を溜め込んでいます。
 今から注ぎ込んでも、息子の子を妊娠できる確率は……」
「それでもやらなければ成るまい、乱交を勝ち抜いて種を残すに値する人間と、神さんに示さなければならないのだからな」
「……そう、ですな」
神主の言葉に父は黙り込むと、雄助を見つめた。
肝心の雄助は上の空だった。もう一人の自分が女と絡む光景が目に焼き付いて離れないのだ。
仮に自分が助かったとしてももう一人はどうなってしまうのか…。
自分が連れていかれるかという事態なのにどこか他人事だ。まるで存在の半分があちらにあるようだ。
正直、一日目が終わっている今雄助が条件を達せられるとは思えなかった。
そんな状況だと言うのに怯えた様子も見せない雄助に奇妙なものを感じ、とりあえずは同年代であり親友でもある河野と浅海が呼ばれる事となった。
パニックを誘発する可能性が高いが仕方がない、彼等と同じ空間に居た方が色々と安定すると思われたからだ。

時計が11時を指す頃、二人はやって来た。

「神主さん何か用事ですか?」
「まだ準備に入るには早いですよ?」

早めに呼び出された事に、二人は疑問を感じていた。
だが、真実を話す訳にいないので、適当に誤魔化す。

「ちと、祭りの段取り確認をな」
「ああ、それでですか」

何とか二人を納得させると、祭りの開始時間まで雄助を同年代二人と過ごさせ、緊張を解させた。
時計が11時半を指す。

「むっ、こんな時間か……三人ともそろそろ準備に入りなさい」

時間が来た事に気が付くと神主は、話しを打ち切り三人に準備をさせる。
控え室には1日目と同じように、飾り衣装が準備されていた。

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