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とある村の御祭り
官能リレー小説 - その他

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とある村の御祭り 7

まるで孤立したかのように誰も居なくなった祭壇。奇妙に静かになり、雄助は恐くなってきた。
どういうわけか片づけをしている大人達の姿がどこにも見えなくなった。家に戻っていったのだろうか?
だがうるさい大人達が居なくなってくれたおかげで探索はしやすくなった。雄助は祭壇に上がった。
巨大な水晶や鏡、鐘の様な物が置かれていた。
「夢中になってて気づかなかったけど、ここには色んな物があったんだなあ…」
そんな事を呟きながら辺りを見回していく。祭壇は意外に大きく、入り組んでいる。
地面を掘り返して作った様な地下通路の様なものすらある。
四方を適当に松明で囲っただけだと思っていた雄助は、驚いてしまった。
祭りの期間中なので誰もが全裸だ。雄助も例外ではない。先程草の陰から現れた河野と浅海もだ。
こんな格好で歩きまわっているものだから昨日の事を思い出し、勃起してしまう。
もしかしたらまだここに媚薬の効果が残っているのかもしれない。記憶が滅茶苦茶になるほどの強烈なものだとしたら、おかしくない。
豪快に扱きたい、そんな欲求が雄助を満たす。
しかし、先程の2人の言葉が頭をよぎった。「精液回復」「精子出ません、なんて」
昨日散々放出したので、精巣は完全に空になった。3Pの最後の方になると、雄助の物はヒクヒクと疼くだけで生臭い空気しか出なかったのを鮮明に覚えている…。
その生々しい行為の記憶がまたも雄助を発情させていく。
尿道からヌルついた液を放出しながら、雄助は強く困惑した。
「あああ、これは次の儀式に取っておくのに」
ここはおかしい、もう出よう。そう思い、体の向きを変えた時鏡があった辺りから妙な音がした。
雄助は思わず足を止めた。
「鏡が鳴った?」
雄助は奇妙な音に振り返る。
根本に御札で作った注連縄を着けた男根が鏡に映っていた。
確かに雄助も同じように勃起していたが、自分の物が映り込んでいるのとは違うとすぐに気が付いた。
まず縄を付けていないし、そもそも写り込む角度がありえない。
雄助はその鏡に駆け寄ったが、それでも股間が映り続けたままだった。
鏡というよりは映像、といった感じだった。
注連縄を付けて勃起している少年といえば思いつくのは1人しか居ない。名も顔も思い出せないあの子だ。
大人を呼ぼうと思った、しかしやはり誰の姿も見えず作業する声すらも聞こえてこない。
近所の家に行く間にこの映像は消えてしまうかも知れない、と思えた。
それに、勝手に鏡を動かすのも良くない事が起こりそうで恐ろしかった。
雄助はどうしたらいいかわからなくなってしまった。時間だけが過ぎて行くが、鏡の中の少年は股間をこちらに突き付けたままだ。
時たま先走りが垂れるので、静止画でない事は確かだった。
鏡の中の世界に少年が封印されているのか…?それとも自分の薬で頭がおかしくなったのか…?
そう思っていると鏡の中の性器に変化が生じた。
ぬっと黒い手が現れ、少年の立ちあがった物を握り締めたのだ。
居なくなった少年はその手の主に別世界に取り込まれたらしかった。
祭りの途中でいきなり存在そのものが消えたのも納得がいった。こんな事、人間に出来るはずもない。
鏡の中で性器を突き付けていた少年が、その黒い手に引き寄せられた。
性器しか見えなかった彼の全身があらわになる。
雄助はその少年の顔を見て背筋が凍った。
それは自分とそっくりだったのだ。
少し記憶がよみがえってきた、いや今まであえて思い出さないようにしていたのだ。
4人目は自分だったのだ。
他の村人が誰も覚えて居ないのも納得がいった。こんな事そもそもあり得ないからだ。
もう1人の自分とやらは自分にしか見えていなかったのだ。

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