潮吹き少女の憂鬱 3
結局、杏子はこの体質から逃れられないでいるのである。一度、母に相談することも考えたが(父親は杏子が幼い時に既に他界している)、杏子はけっこう恥ずかしがり屋のため、結局言えなかった(同じ理由で医者にも相談していない)。余談だが、そのとき杏子は「恥ずかしいと思うと、溜まるのが早くなる」ことに気付いた。
幸いなことに、杏子はこの体質のことで極端に悩んだり苦しんだりしているわけではない。むしろ、あまりの気持ちよさのため、やめられなくなっているというのが現状である。
「ハァ……ハァ………………あっ!」
杏子は数分ぶりに理性を取り戻した。
「やっば〜い、急いで掃除しなくちゃ!」
全てを出し終えた杏子は、妙に冷静であることが多い。俗にいう「賢者タイム」であろうか。手早くトイレの床と壁の掃除を終えた杏子は、急いで教室に戻ろうとしたのだが……
「あっ、パンツ……ぐっしょり濡れちゃってる……」
結局、杏子は濡れたパンツを履く事よりも、今日一日をノーパンで過ごす事を選んだ。まあ、いつものことなのだが。
杏子が教室に戻ると、丁度授業が終わっていた。
「大丈夫?もしかして最近調子悪いの?」
今杏子に声をかけた少女は、大塚美咲(おおつかみさき)。杏子の一番の親友である。親友とはいえ、体質のことでの相談は未だにできていないが……
「だ、大丈夫だよ……心配かけてごめんね」
「そう……あんまり無理しちゃダメだよ?」
「うん、ありがと……」
その時、杏子はほんの僅かだが液体が溜まる感覚を覚えた。
(えっ……?)
おそらく、親友からの気遣いが杏子を少しだけドキッとさせたのだろう。
(どうしてだろう、最近ちょっとのことで溜まるのが早くなってるような……)
学校も終わり、杏子は家に帰るための電車に乗っていた。この時間の電車はよく混むので、仕方なく杏子は吊革を掴んだ。その時……
「ひっ……!」
何かがお尻に触れた。杏子は小さく声をあげた。
(まっ、まさか……痴漢!?)
こっそり後ろを見ると、40代くらいのメタボっぽいオッサンが、杏子の尻を触っていた。周囲の乗客は厄介事に関わりたくないのか、皆見て見ぬフリをしていた。
(そんな……どうしよう……!)
杏子が痴漢に遭うのはこれが初めてである。それゆえ、こんな時どうすればよいのか分からないのだった。
痴漢は、なおもしつこく杏子のお尻をまさぐってくる。杏子の頭の中は、恥ずかしさでいっぱいになっていた。そして……
(あっ……溜まってきてる……)
杏子が恥ずかしいと思えば思うほど、意に反して液体は溜まっていくのだった。その量は、物凄い勢いで限界まで近づいていた。
(どうしよう……こんな時に……)
そんな事情を知らない痴漢の指は、とうとう杏子の秘部近くまで到達した。
(ひゃあっ!)
痴漢は、杏子がノーパンであることに気付くと、ニヤリと下品な笑みを浮かべ、。ますます激しく指を動かした。