無人島生活 13
「おーい、戻ったぞ!」
「おかえりなさい」
「ほぎゃっ、ほぎゃっ!!」
俺がみんなの所に戻ると、全員無事で、俺に抱き着いてきた。
彼女達がどれだけ心配してくれていたか、ひしひしと伝わってきた。
「ほら、私たちの子よ。抱いてあげて」
「きゃっ、きゃっ」
「お前も元気だったか。嬉しいぞ」
どうやら産湯を遣わせてくれていたらしい。俺は生まれたばかりの息子を抱きしめた。
ようやく父親になった。その実感がわいてくる。我が子の愛しさは、何物にも代えがたい。
「良かった……ドラゴンが出た時は、どうなる事かと思ったぁ」
「ご主人様が死んじゃうんじゃないかって、気が気じゃなかったの」
妻達の何人かは、涙を浮かべている。それだけ怖かったんだろう。
「俺も、みんなが無事で、本当に良かったよ。それにこの子も」
みんなが様々に同意を示してくれる。由佳と里佳はまた俺に抱き着いてきた。
「ねっ、名前はどうするの?」
「この子の名前を決めてあげて」
悠里と真由香が聞いてきた。この子の母親であるトレーシーを見ると、彼女も頷いて言った。
「あなたの初めての子だから、日本風の名前がいいんじゃないかしら」
「トレーシー、いいのか?」
「いつも私達を守り、大切にしてくれたから。皆で考えていたのよ。最初の子供の名前はあなたに決めさせてあげようって」
そこまで俺を想ってくれてたのか……
嬉しい。手の中のわが子がさらに愛しい。
俺は、すやすや眠るわが子を見つめながら、しばらく名前を考えていた。
「晴道(はるみち)。お前は晴道だ。お前のゆく道が、明るく晴れ渡っているように」
「ゆく道が明るく晴れ渡って……いい名前です」
トレーシーも、幸せいっぱいな顔で目元には嬉しそうに涙をひとしずく浮かべている。
涙が陽光にきらめいたのは、俺たちの、そしてこの子の前途を示してくれているのかもしれない。
「晴道…よろしくね。私の可愛い弟…」
「キャサリンも、お姉ちゃんになったのよね。姉弟仲良くしてあげてね」
「うんっ!」
キャサリンは本当に嬉しそうに、愛おしそうに、俺が抱いている弟に声をかけていた。
「私達の新しい家族ね。おめでとう」
「可愛い赤ちゃん……イケメンに育ちそうね」
「元気に育ってね!」
みんなに祝福されて、その日は幸せのうちに過ぎていった。
あれから一年…
みんな、それぞれの子供を産んだ。美佳は双子の女の子を、悠里は男の子を、他の妻たちは女の子を産んだ。
全員、産後はゆっくり休ませたこともあって母子ともに元気でいてくれている。
「ああん、ああん!あん!」
「ますますエロくなったな、キャサリン!」
「だってぇ、またご主人様の子供欲しいからぁ!」
俺も、有り余る精力で日々妻たちの誰かを抱いている。トレーシーの次に無事に出産を終えたキャサリンは、最年少ながら発育の良さからか回復も早く、以前以上にH好きになった。
おかげで俺はHも含めていろいろ助かった。感謝でいっぱいだ。
俺に跨って貫かれて幸せに喘ぐキャサリンは、子育ての合間にちょっとでも時間ができると求めてくるようになった。救出された時、ちゃんと社会適応できるのか心配なくらいだ。