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異界の扉
官能リレー小説 - その他

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異界の扉 2


――――

そして次の日。いや、『次の日』と言っていいものかどうか。
オレがいつものように目が覚めると、見慣れた世界は一変していた。
部屋の外は見慣れた町の景色ではなく、空も地面も何もない、真っ白な空間で埋め尽くされていた。
かろうじてわかるのはこの部屋の窓やドアは開けられないこと。
そしていつもどおりに起動した目覚まし時計の時間から、今が間違いなく次の日の朝ということだけだった。

「どういうことだよ、これ・・・?」

オレは人生でこの上ないほど間の抜けた表情で、恐ろしく現実味の欠けた部屋のベッドにしりもちをつくのであった。
しかし生き物とは適応力の塊のようなものである。
たとえどんな状況にいようとも、生きるために活動を開始する。
まず自分のほっぺたをつねったり、壁に頭を打ち付けてこれが夢でないことを確認。
そして現実をしっかり見てから部屋をあさって現状把握に動くことにした。
当然、真っ先に見つかるのは机に置かれた見慣れぬ3つの品々。
ゲーム的に考えればあれがこの状況を打開するヒントになっているのだろう。
しかしこれは現実だ。あんなあからさまに怪しい品に手を伸ばすほど、オレは勇気を持っていなかった。
・・・が。現実は小説よりも奇なりというが本当らしい。
事態はオレにあの品々を無視することを許さなかった。
何しろ窓もドアも、外につながるものは何一つとして動かなかったのだ。
調べてみれば部屋の電気もつかないし、PCも動かない。
当然携帯は圏外。死にたくないならさっさと話を進めろと言わんばかりの状況だった(涙)
やむを得ず、そっと無難そうなカードを手に取ると。

パアッ・・・!

「ぅわッ!?」

突然淡く光ったかと思うと、真っ白なはずのカードから文字が浮かび上がってきた。
そこにはなぜか日本語で以下のようなことが書いてあった。

『おはようございます、神楽京介様。
 ここは無限に広がる世界をつなぐ世界『異界の扉』でございます。
 あなた様のいる世界では考えられないような現実を目の当たりにして、驚かれているとこでしょうが、どうかご容赦を。
 このような手段でも使わない限り、これからの説明を聞いていただけないと思いましたので』
「・・・謝るくらいなら最初からすんなよ」

オレはどこぞの中二病患者じゃないんだ、さっさとオレの現実に戻してくれ。
オレは心の中で毒づきながら続きを読む。

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