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異界の扉
官能リレー小説 - その他

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異界の扉 1

ある春の夕暮れ時

俺、神楽 京介は一人図書室に居た
もうすぐ春休みに入る頃なのだが………課題に追われそれどころでは無い

まあ、そんな状況にいるのは俺くらいしか無く………薄暗い部屋の中一人ペンを走らせるのだった



しかしながら、一年中溜め込んだ課題を放っておいた男がすんなり終わらせられる訳も無く……本棚へと逃げて行くのだった

気分転換する為に適当な本を探していると本棚の隅っこに押し込んであった煤けた一冊にふと目が留まった
題名は無く手に取ると何故か掌に馴染んで来る不思議な感覚がした

ページを開くと中は白紙になっていた

おかしいとは思ったがそのままにしておくのがいいと思い本を棚へ戻した

その時足元に封筒が落ちてきた
落ちた封筒を拾い上げるとまだ未開封なのがわかり、何か重い物を感じた

不審がりながらも開けてみると中には金属性の鍵と真っ白なカードが入っているだけで他は何もなかった


俺は好奇心からか何も考えずにそれらを制服のポケットにしまい込んだ
その後、課題のこともあり、オレはポケットの封筒(鍵&カード)のことも忘れて家路に着いた。
家に着いたときはもう夜の10時を回っていた。
体力の限界だったオレは夕飯を食う気力もなく、制服の上着をハンガーにかけるとベッドに倒れこむように眠りに落ちた。
オレが眠ってからどれくらいの時間が過ぎたのだろう。
静まり返ったオレの部屋で、ある異変が起きようとしていた。
制服のポケットに入っていた封筒が淡い光を発し始めたのだ。
ポケットから音もなく鍵とカードが姿を現すと、鍵とカードから光の塊が生まれて1つになる。
3つ目の光は球状から長方形の何かに形を変える。
そして光は輝く塊から物質へと変貌した。
それは1冊の本。図書館でオレが見つけた、あの白紙の本だった。
空中に浮かぶ光る鍵・カード・本。
それらはオレをこれから起こる物語へ導くため、ゆっくり静かに動き始める。
3つのアイテムは光を大きくしながら、オレの部屋を飲み込み始めた。
しかしその異変に気づくものは誰一人としていない。
光は誰にも気づかれることなく、部屋のすべてを飲み込み、物語の舞台へと運んでいった。

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