メイドの旦那様調教 15
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「はっ、ここは!!」
「お目覚めですか、乱麻様。」
乱麻は目を覚ますと隣にミリアがいた。
「ミリア、どうして僕の邪魔するんだ。いい加減に自由にさせろ!!」
「ええ、左様ですわ。」
乱麻はミリアをみるなり泣きそうな声で自由にさせろと叫ぶ。
「ですが現当主である静麻様からは貴方を立派な後継者として教育するよう、仰せつかっています」
「今までのどこが教育なのさ!?」
ミリアの台詞に乱麻は怒りしか感じなかった。しかし次のミリアの言葉を聞いた瞬間、乱麻は愕然としてしまった。
「人に溺れるものが三つあります。一つは金。一つはスリル。一つは女。上条家に生まれた乱麻様は金に溺れることは無いでしょう。残りの二つが、スリルと女。だからこそ、この教育なのです」
「?」
乱麻は眉を潜め、ミリアの顔を見る。その整った顔立ちは妖艶と清楚という両面を兼ね備えた美貌であり、その艶かしい深紅の唇が動く様子が、どこか卑猥だった。しかし乱麻は、それよりもミリアの言葉が気になる。
「スリルと女ねえ〜その為に僕は今まで嫌な思いをしてたんだよ。それに当主になれってお父さんがいってるだけだ、自由にさせろミリア。」
「できませんわ。完全に調教するよう静麻様から仰せつかっていますから。逃亡生活でスリルにも溺れられたようですし、徹底的に再教育いたします。」
ミリアの眼が冷酷に輝く。
その瞳に睨まれたとき、乱麻はすべてが終わったことを悟った。
完全に脱力し茫然自失の体となっていた。
乱麻を見るミリアの瞳は、再び大好きな調教を始められる喜びにキラキラと輝いていた。