PiPi's World 投稿小説

離島
官能リレー小説 - その他

の最初へ
 3
 5
の最後へ

離島 5

古老は最後にこう付け加えた。

この出来事があったからかもしれんのう。
明治の世に白人が船で来るようになったが、彼らも定住者として受け入れてうまくやっていけているのは…



唐の美女と言う異分子が現れて男達の目を引いたからと言って反射的に追い出そうとするから、悲惨な事になったという戒めの話なのだろう。
条件反射的な安易な反発をしないでよそ者をも受け入れる海の民らしいおおらかさを、島々の人たちから感じた。

あの爺さんやあの娘らも、どこか白人っぽい顔立ちだった。
血が混じっているのだろう。
それにしてもその女にも問題があると思えた。
周りの男全てから関心を引いているにも関わらず、その関係を整理せず女から恨まれるに至った。
唐の女が男女関係についてはっきりとした態度をとれば良かったのだ。
「誰の子供なのか言えば殺されそうになるまで恨まれなかっただろうに、自業自得だよ」
ここまでいってふと思う、言えるような相手ではなかったのだろうか?
有力者か魔物か、どちらにしろもっといい解決法はあったはずだ。
今さらあれこれ考えてもどうにもならないが。

そんなことを考えながら探索を続けるがアヌビスには遭遇しない。
しかし、痕跡だけはある。その痕跡はどういうわけかあの包帯に包み込まれた者が居た場所に続いているらしい。
こちらを誘っているみたいだった。
正直なところ、縛られた男達とあまり関わり合いにはなりたくなかった。
しかし、ターゲットがそこにいるのならいかないわけにもいかない。
ふとジャッカル頭の後ろ姿が見えた。わざとらしい動きだった。
誘い込まれているのは明らかだ。
このまま進めば不利になるだろう、どうにかやり易いところに引き込めないか…?
あの連中は餌なのだろうかとも思う。
奴にとっての餌でもあり、こちらを釣る餌でもあるのだろう。

「やむを得まい」

覚悟を決めた。どの道奴はあの連中を食らうのだろう。
後ろ暗い連中だ。仮に助け出してもどんな行動に出るかわからない。
とりあえずジャッカル頭は近づいて来るまで放置する。
包帯で縛られたあの連中は…

SNSでこの小説を紹介

その他の他のリレー小説

こちらから小説を探す