幼なじみ 50
―――
家に着いても落ち着かない…。
『そういえば前は幼馴染みとしてしか見てなかったから意識しなかったけど、ヒロはかなりモテてたんだよね…。実際都合のいい女の子いたみたいだし…。彼女だっていたよね…』
あ〜…考えれば考えるほどへこんでくる…。
―――
その頃…
ゆかりに無理やりひっぱられたヒロは、ゆかりと一緒に公園のベンチに座っていた。
「話ってなんだよっ!学校でもできるだろうがっ」
「だってひろし学校だとそっけなくてゆっくり話もできないじゃない。」
腕を絡め甘えるようにヒロを見上げる。
「ね〜ぇ、またひろしん家に行っていい?」
「お前……オレは今あいつが大事なの、他の女には興味ないの!」
腕を引き抜こうとするが、両腕で胸に押しつけられ、なかなか離れない。
「ふぅん、良いよ別に。すぐにあたしの事好きにならせるから」
「…………」
「なにその顔ぉ、私の事その気にさせたのはひろしだよぉ?」
「そりゃあ悪かったけどもう無理だよ。愛香しかいらないから」
「ふ〜ん…でもあの子にはひろしは手におえないと思うなぁ。だってあの子まじめでしょう?」
『なんなんだこいつは…』
俺は返事する気にもならなくて黙っていた。愛香とはかなり小さい頃からの付き合いだ。上辺だけの付き合いではないから愛香のことはよくわかってるし、愛香も俺のことはわかってくれている。
ゆかりはまあまあ顔もいいしスタイルいいしヤらせてくれる都合のいい女として関係はあったけどもう昔の話。
今は愛香が大切でたまらないから他の女なんてどうでもいい。
あまりにうざいから俺は話を切ろうと言葉を発した。
「わかったからもういいだろ。俺帰るからなっ。」
「やだ♪返さないっ♪」ゆかりはそう言って相変わらず腕をぎゅっと掴んでくる。
しかも胸を押しつけて…
『こいつわざとやってるな…υ谷間見えてるし…てか見せてんじゃん…』
バッチリ谷間は見つつもゆかりの企みをわかっているし愛香のあの可愛さを知っている俺はそんなのには欲情しない。
「もう帰るからなっ!あんまりしつこいと怒るぞっ」
そう言ったことでちょっとゆかりもひるんだ。
しかしまだぎゅっと腕を掴んでいる。
『あ゛〜〜〜もうっ』
その時ゆかりが甘えた口調で話してきた。
「じゃあさぁ…ひろしの家言っていいなら諦める♪」
「絶対だな??今日だけだぞ!」
面倒くさいことが苦手な俺はそれだけで諦めてくれるなら…とゆかりを家に連れていくことにした。
家に来たら諦めてすぐ帰るだろうと勝手な予想をし愛香に連絡もせずに……
―――しかしそれが全ては間違いだった…
隣りなんだから愛香に連絡をしちょっと事情を話せば良かったんだ……
それをしなかった為に…