幼なじみ 48
唯一亮との事情を知っている親友の亜希は今日は休みで言い訳のしようがなかった。
『亮にひどいことをしたのは事実だしそう思われても仕方ないのかもしれない…』
クラスメートの誤解が悲しかったけどきっとわかってくれる人もいるよね。
今日のクラスメートの冷たい態度に、愛香は気持ちが沈みがちになりながら、ヒロとの待ち合わせ場所に向かった。
「愛香!!」
「ごめん、ヒロ待った?」精一杯の笑顔を向けた…
つもりだった…
でもヒロは何でも気付くんだね。
「愛香なんかあったか?元気ない…俺に隠し事してもばればれだからな!」
頭を優しく撫でるヒロの手…大きいなぁ。
いつもは意地悪なのにこういう時は優しいんだよね。
でも優しくされると涙が出てくる。
「っう…」涙を堪えられない。
「あっ愛香?どうしたんだよ?何かあったのか?」
もう耐えられずにヒロに抱きつき泣きじゃくった。
ヒロはそんな私を見てびっくりしたようだったけど落ち着くまで優しく抱き締めて背中を撫でてくれていた。
………
ヒロは理由も聞かずただ優しく愛香を抱き締めた。
『学校で何かあったんだろうな。愛香が話してくれるまで触れずにおくか…』
ヒロの精一杯の優しさだった。
その帰り道…
まだ愛香の表情は暗かったが、ヒロがいることで落ち着いていた。
―――
「愛香…今日俺んち泊まりに来るか?」
突然のことにびっくりした。
そりゃあ小さい頃はお互いの家に行って泊まりっこもしてたけど…
さすがに思春期に入ってからは寝る時はお互いの家に戻ってたからね…。
「いくら幼馴染みだからってそれはおばさんもびっくりするでしょ…」やっぱり家族には言ってないし年頃だからお泊まりはまずいよね…。
「愛香もう幼馴染みじゃないだろ…」
「あ…」そうだよね。付き合ってるんだもん。なんだか今までは幼馴染みから抜け出せないところもあったけどヒロが普通に恋人と思ってくれてるとこが嬉しい。
「それに…俺おやじとかあちゃんに愛香のこと話したから……」
「え…??」
「だから〜!お前と付き合ってるって…すごく大切だって話した。」