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幼なじみ
官能リレー小説 - 女性向け

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幼なじみ 5

「ぅうっ…泣くな泣くな…」
ボロボロと流れる涙が止まらない。

「……なんで…こんな事したのよぉ…」
それは届くはずない疑問だった。


次の日――
「おっまえバカじゃねぇの!!?訴えられっぞ?」
「そんな事あいつがするわけねぇじゃん」
俺は昨日の出来事を親友とも呼べる友人に全て話した。
ちなみに今は昼休み。屋上で飯を食ってる。
「いやぁ〜お前がバカなのは知ってたけどここまでバカだとはなぁ…」
「だっておっぱいでかいし、可愛かったんだぞ?お前だって襲っちまうな!!」
「それ自慢げに言う事じゃねぇべ……」
そんな話を親友としてた時は気づかなかったが、俺はすぐに自分が本当にバカだと気づかされる事になった。


次の日・・・私は学校で告白された時、思わず『いいよ』と言ってしまった。
相手は同じクラスの高山亮くん。亮と書いてとおると読む。
女の子みたいに華奢で小柄で色白な美少年。
小動物的な可愛さで屈託無い笑顔は本当に引き込まれる。
優等生なんだけど、嫌らしい所が無くて、誰にでも優しく気を配るので男女共に人気があった。
そんな最高の告白でも、昨日のヒロの事がある以前なら保留したし、一週間程後なら断ったかもしれない。
でもあんな事があった直後の私は、亮くんと付き合う事を決めてしまったのだ。

放課後になって、家に帰る途中でヒロに会ったらどうしよう…など考えていたら友達は全員帰ってしまっていた。
「あ…しまった」
友達とおしゃべりしながら帰ればヒロがいても、無視できる。
「どうしよう…」
「あ、いたいた、愛香ちゃん」
「亮くん…」
「一緒に帰ろうよ」


2人そろって歩く…
「亮くんの家こっちなの?」
「途中から別方向だよ。あ、でもちゃんと家まで送るから」
「いいよ、疲れちゃうでしょ?」
「愛香ちゃんのためなら疲れないッス!」
にこっと可愛らしい笑顔を向けられると顔が赤くなる。本当に良い子だなぁ…
「今日はありがとうね、こんな所まで・・・」
「とんでもないよ・・・僕、こう言うの好きだから・・・」
家の近くの公園のベンチで私が亮くんにそう言うと、亮くんは顔を真っ赤にした。
その様子はとても可愛らしく、私は思わず微笑んでしまった。
亮くんは手を繋いだだけで真っ赤になったり、綺麗で真っ直ぐな眼で私を見たりする純真さの持ち物である。
確かに女の子みたいに可愛らしく、少し頼りなげな容姿は男としてヒロに比べて物足りなさを感じちゃう。でも、優しく紳士的で気配りができ、その実頼りがいがある・・・男の中身の魅力はヒロなんかより数倍上だと思う。
勢いで付き合う事になったけど、これで良かったのかもしれない。

「亮くん、これからよろしくね」
「うん!僕頼りなかもしれないけど…頑張るから!!」
私をこんなに思ってくれてる人がいるなんて知らなかった……。
亮くんの言葉ひとつひとつが私の心を柔らかくしてくれる。自然と涙があふれてきた。
「あ、愛香ちゃん!?」
亮くんは慌ててハンカチを取出し、私に差し出してくれた。
今どきハンカチもってる男の子っているんだ。亮くんの人柄良さがしみでてるハンカチを受け取ると笑いがこぼれた。
「ごめんね、最近涙もろくなっちゃってさ」
「僕のせい?」
「違うよ!!亮くんのおかげで気持ちがほんわするの」

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