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幼なじみ
官能リレー小説 - 女性向け

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幼なじみ 36

「……愛香ちゃんは僕に似合わないってどこかで思ってたんだ」

「え?」
「愛香ちゃんは僕といるとき笑ってくれるけど、どこか無理してたでしょ」
「……」
「僕が欲しかったのは、僕と付き合う前の生き生きとした笑顔」
「ごめん……」
「何で謝るの?僕がそれを引き出せなかったんだよ?」
「亮くん……」
「別れるよ、愛香ちゃんを苦しめたくないから」
「ほ、本当に?」
「でも諦めないよ、愛香ちゃんのこと。あいつには負けないから」
「……亮くん……いつから気付いてたの?」
「前一緒にいた時たまたま会って紹介してくれたよね。あの時あいつの態度で、あいつは愛香ちゃんのことが好きなんだって気付いたんだ。それから…図書館で勉強したあとから愛香ちゃんもどこかうわの空だったから…。」
「亮くん、ごめんね…。」
「愛香ちゃん、そんな謝らないでよ。僕はまだ諦めたわけではないから。いつでも狙ってるんだからね!」

  そう言って亮くんがにかっと笑った。
  多分私を元気づけてくれようとしてるんだろうな。

 亮くんはどこまでも優しい…
 そんな亮くんの思いにこたえてあげられずにごめんね。
それから……亮くんと別れて、亜希と会った。
 亜希はこれから私が話そうとしていたことをわかっていたみたい。でも優しい顔で黙って聞いてくれていた。

 「で、愛香はこれからどうするの?」今まで黙っていた愛香が口を開いた。

 「どうするって……亮と別れたから、じゃあ、はい次ヒロと付き合います、なんてそんなむしのいいことできないよ…。ヒロを好きだって気持ちに気付いたけど、だからって亮くんのことどうでもいいって思ってるわけじゃ…」
「愛香さ…それはきれいごとじゃない?」
「え…」
「誰かが傷つくのは仕方ないことだよ。今の愛香は傷つけちゃった亮くんのことを考えて踏み込めないんだろうけど、じゃあ愛香自身の気持ちはどうなるの?受け入れてもらえないヒロの気持ちは?愛香とヒロはやっと想いが通じたんだよ?」
「でも…それじゃあ、あまりに自分勝手な気がして……」
「愛香はいつも色々周りに気をつかって考えすぎ。たまには自分を優先しなさい。もっと自分の想いに素直になっていいと思うよ?」
  そんなふうに言って亜希は愛香の頭をぽんぽんと優しくたたいた。
  「亜希……ありがとう」
亜希が友達で良かった…

  亜希は背中を押してくれたんだ。

  ありがとう、亜希…私頑張るよ…

  もう一度ちゃんとヒロに想い伝えてくる!

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