幼なじみ 37
愛香は亜希と別れてすぐヒロの家に向かった。
なんだか気持ちが早く早くって焦って…
ヒロに会いたくて…
「お邪魔します!ヒロ!ヒロいるっ?!」
ヒロの家に着くと、二階へかけあがりノックもせずにヒロの部屋へ入った。
「……!!愛香…どした?」息をきらしてそこに立つ愛香にヒロもびっくりしたようだ。
「はぁはぁ…ヒロ…あの…あのね…」
「愛香、ちょっと座って落ち着けって…」ベッドで寝転んでいたヒロが腕をひっぱってベッドに座るよううながした。
「ねぇ、ヒロ聞いて!自分の気持ちに素直になる!」
「……」
「私…ヒロが好き。大好きっ。幼馴染みとしてじゃなくて…大切な人として好きなの。亮くんにはきちんと話して別れてきたの。幼馴染みは卒業したい。だから……ヒロ…私をヒロの彼女にして下さい…」
「っな…………」
あ……ヒロ、私のこと軽い女だって思ったかな……
でもね……
「これがあたしの素直な気持ちなの」
目を見つめて気持ちを伝える。
決して目線は外さない。
この距離が離れないように。
「おまえなぁ……」
あきれたような顔をするヒロ。
軽率だったかな……って自分の行動をちょっと後悔した瞬間、両脇から手が伸びてきて……
「ぃたい……」
「それはオレが言いたかったの!」
ふにふにと頬の肉をつねられる。
けどその痛みさえ、今なら心地いい。
「これからよろしくな」
額をコツンて合わせてテレ笑いするヒロがとても愛しい。
少し前までは考えられなかった感情。
あったかくて、心地よくて……。
思わず目頭が熱くなる。
「おい、泣いてんのか?」
「ん……なんか嬉しくて」
へへ、と笑うと真剣なヒロの顔が近づいてきた。
キスの予感に目を閉じる。
「ん」
触れるだけの優しいキスにあたしの感情が一気に上がっていく。
ヒロの肩に腕を回し、深く口付ける。
ヒロの体が一瞬退いたけど、ソノ気になったらしくあたしの体を引き寄せる。
「んはっ……」
どんどん深くなるキスに頭がクラクラする。
舌を絡ませる音が部屋に響いて体が熱くなる。
「ヒロぉ……ん」
「愛香、積極的だな」
目の前でニヤリとされてちょっと恥ずかしくなる。
「ヒロだからだよ」
「嬉しいこと言うねぇ」
本当に嬉しかったみたいでニコニコしてる。
首筋にもキスをされて体が反応する。