幼なじみ 35
「私も、やっぱり亮よりヒロが好き。」
「愛香…」
「待ってて!…『ヒロの事が好き』って、ちゃんと亮に言ってくるから!ヒロの彼女になりたいから!」
そう言って家を出たものの…正直ヒロと気持ちが通じたから、じゃあ亮と別れる…なんて出来ないよ…
てかさっき焦って「もう帰らなくちゃ…」なんてヒロに言っちゃったけど…ばかみたい!自分ちなのに…何言ってるんだろう。
よっぽど混乱してたみたい…。ヒロに変に思われたかな…。
気持ちがはっきりした今、亮にはきちんと別れを告げなくちゃ…。
亮くんの家に着いちゃったけど…亮くんいるかな。
どうしよう…なんて言おう…。
亮くん今まですごく優しくしてくれたのに…。
きっとすごく傷つくよね…。
亮くん…ごめん…
愛香は思い切って亮の家のチャイムをならした。
するとすぐに亮が顔だし嬉しそうに迎えいれた。
『どうしたの?愛香ちゃん!今日約束してないよね!愛香ちゃんが来てくれるなんて嬉しいよ!どうぞあがってよ!』
愛香は重い気持ちで亮の後をついて行った。
亮の部屋…当たり前のように来ていたが今は愛香にとって居心地が悪い。
表情が曇って笑わない愛香に亮も気付いた。
「愛香ちゃん…今日は突然訪ねてくるし、表情も暗いし…どうしたの?何かあった?」
心から愛香を心配する優しい亮に愛香はなかなか切り出せないでいた。
『でも…きちんと話さなくちゃ!』
ついに愛香は話しをだした。
「ごめんね、亮くん…私達別れよう。」
それを聞いて本当に悲しそうな顔をしていた亮だけどどこか覚悟しているみたいだった。