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幼なじみ
官能リレー小説 - 女性向け

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幼なじみ 26

とぼとぼ教室に戻ると真っ先に亜希につっこまれた。
「亮くんなんだって?」
ウキウキしながら聞かないでよ〜。……亜希ってば、もしかして楽しんでる?
「行っといで、て……」
「ほぇ〜寛大な男だねぇ!」
「信じてるって言ってくれた……」
「はいはい、結局惚気話になるのね」
ごちそうさま、と亜希は自分の机に戻っていった。

惚気られるほどラブな雰囲気じゃなかったよ、亜希。
きっと亮くんは心配してあんなこと言ったんだろうけど……

どうしても愛香ちゃんがみなきゃいけないの?


あの言葉が胸に残って居心地を悪くする。
私が好きなのは亮くんだけなのに――。



わだかまりを残したままでも放課後は来て……。

「ヒロ、遅いねぇ」
オレンジジュースの入ったペットボトルを何度も口に運びながら亜希がつぶやく。

ずっと亮くんの言葉が頭ん中でエンドレスリピートだったから、もう少しで聞き逃す所だった……。

「いつもじゃん、ヒロが遅れてくるのは」
「まぁね〜」

いま、あたしと亜希は駅前広場のベンチに座ってヒロの到着を待っている。
ヒロは電車通学だからここで待ってればいつかは会える。
ちなみにあたし達は地元の高校。
ちょっと電車で学校に向かうのに憧れてるんだけどね……。

「よぉ」
ヒロが悪びれた様子もなくやってきた。

「ちょっとお〜女の子を待たせたらだめじゃんっ。」亜希とヒロがなんか話してる…

あたしはヒロが来たとたん、さっきよりも自己嫌悪に襲われた。

勉強を教えるだけとはいえやっぱ会うのはまずかったかなぁ?

亜希もいるから…平気だよね?

亮くん本当ごめん!
許してねっ。
「愛香ぁー中入ろう?」
「あっう、うん!」
「おまえなんか変じゃない?」

ヒロにはなんでもお見通しだな…
でも心配かけるわけにはいかないし。
「全然普通だよっ!」
「そうか?それならいいんだけど。」


亮くんがあたしを信じてくれたみたいに、あたしも信じなきゃダメだよね。


「早くなかに入ろ?」
「おう」

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