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幼なじみ
官能リレー小説 - 女性向け

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幼なじみ 23



今日はいつものベンチじゃなくブランコに腰を下ろした。
ここは木の影が出来るから晴れた日でも少し涼しい。
ヒロは隣で鼻歌なんか歌って機嫌がいい。どうしたんだろ……

「愛香んとこも、もうすぐテストか?」
「あ、うん、そうだよ」
「愛香は頭良いからなぁ、俺なんてどうせまた赤点だろうな」
「ヒロだってちゃんと勉強したら良い点とれると思うよ」
「ちゃんと勉強なぁ……なにをどう勉強したら良いのかすらわかんねぇよ」

あたしはヒロが本当は頭が良いことを知っている。理解力があるから数学は方程式なんかを教えればスラスラ説いていた。
ただ勉強が面倒臭いだけ。特に肩にのしかかる親の期待なんかがウザイらしい。

中学の時に“遊ぶ”ことの楽しさを知ったヒロはますます勉強をしなくなった。
真面目に勉強してたらあたしと同じ高校にだって行けたはずなのに……。

「ヒロはやれば出来る子でしょぅ」
「あのな、お前は俺の親かよ」
「そういう意味じゃなくて、中2位の時までヒロとあたし同じくらいの成績だったよね?」

「そうだったかぁ?」

本当は覚えてるくせに。

「ヒロは本気を出さないだけよ、本気出せば一気に上までいけるのに」
手で、しゅぴーんと斜めの線を描くとヒロは楽しそうに笑ってた。
「お前よく俺のこと知ってんな」

だって幼稚園からの付き合いですもの。

「ま、腐れ縁ってやつだからね」
「ははっ、なかなか切れそうにない縁だな」
「ふふん、ヒロが頑張るなら切らないどいてあげる」
「そうだな…頑張るよ」

あれ、冗談のつもりがマジにとられたのかしら……。急に神妙な顔になって。



それっきり会話が途切れちゃった……。
息苦しくない沈黙がつづく。



そして、しばらく黙っていたヒロがようやく口を開いた。

「なぁ」

「ん?」
「今度暇なとき勉強見てくれよ」

…………はい?

「図書館とかで良いし、亜希連れてきても良いから」

やだ……ふたりっきりかと思って緊張しちゃったじゃん……。

「だめ……か?やっぱり彼氏に悪いか」


確かに亮くんにちょっと悪いかも。
でも亜希もいるなら……

「ん〜〜〜〜」
「だめ?」

そんなすがるような顔されちゃあなぁ……
それにあのヒロが勉強する気になったわけだし!

「いいよ、ただし図書館で亜希も一緒だからね」
「マジ!?サンキュ〜!」
ヒロは語尾に♪がつきそうなくらいはしゃいでる。
そんなにやる気だしてくれたらこっちまでやる気になっちゃうなぁ。

亮くんには友達と勉強会するって言えば大丈夫だよね。

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