幼なじみ 20
「…うッんッッ…凄い…っよぉ…」
「あぁっ…んッッッもぉ…ぁぁぁぁ…!!!」
…
…
…
それから二人は言葉を交わさずに抱き合った。…… 互いが互いの愛を確かめ合うように。。。
「愛香ちゃん…」
昨夜はあのまま亮くんの家に泊まって、親が起きる前に自宅に朝帰りをした。
衝動的にしてしまった行為に羞恥心がくすぶるけど、以前より増した絆に安心感を覚える。
「おはよ、愛香」
「あ、おはよ」
「今日旦那とは一緒に登校しなかったの?」
「旦那って……今日はちょっと忙しくて別々」
「へぇ〜めずらし〜あの忠実な亮くんが…」
この子は友達の亜希。中学からの友達。
「ケンカとかではないみたいね〜機嫌良いし」
「ケンカなんかしないもん」
「ふぅん、ヒロと毎日ケンカしてた愛香とは思えないや」
あはは、と笑う亜希。
亜希はもちろんヒロを知ってる。ヒロと亜希とあたしで遊んだりもした。
けどあの事は亜希も知らない。
「毎日ケンカしてたわけじゃないじゃん」
「そうかなぁ、ヒロと愛香のコントみたいなケンカ面白かったからそればっかり覚えてんのかも」
にひっと笑って自分の席に鞄を置きにいく亜希を見ながら、ゴメンと心でつぶやく。
一応ヒロのこと許したけどまだ秘密にさせてね。
ガラッ
「はいはい、席に着いて」
毎朝恒例の出席確認をすませてから先生が楽しそうに「もうすぐ期末試験だねぇ」と言った。
亜希は後ろの席の私にむかって、失敗したクッキーを食べたときみたいな、うげぇ、という顔をする。
頭良いくせに。
くすくす笑う私を見て亜希はご満悦のようだ。
「まぁテストが終われば夏休みって考えれば楽よね」
お昼休み、亜希と二人で机をあわせてお弁当を食べるのが日課。
「そうだねぇ、もう夏休みか……亜希は彼氏さんと海だっけ?」
「イエス!やっぱり車持ちの彼氏って良いわぁ、どこにでも連れてってくれるしぃ」
「惚気ぇ〜」
亜希の彼氏は確か大学生。たまに校門前に真っ黒な車を停めて亜希の帰りを待ってる。外見がちょっと怖いからよく先生に注意されちゃう。でもやさしい人って知ってるから安心して亜希を任せられる。