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幼なじみ
官能リレー小説 - 女性向け

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幼なじみ 17




「じゃあね」
「うん、バイバイ」
あれから空が夕日色に染まるまで二人で色んな話をしていた。
いつもどおり亮くんは私を家まで送ってくれて、今も名残惜しそうに手をつないでいる。

「バイバイ……また学校でね」
私がそう言って手を離すと、亮くんは子犬みたいな目で見つめてくる。
「んと…今日電話するから」
家にあがってほしい気持ちを押さえて私が言うと、淋しそうな顔がすぐに明るくなる。
「うん、絶対だよ!」
「もちろん」
「じゃあ電話、待ってるね」

亮くんが夕日に溶けていくみたいに走り去っていく。
ふぅ……

まだ少し痛いかも…。
「ぅう〜〜」
あいたたた…まだ入ってる感じするなぁ……
歩いてる時も違和感バッチリだったけど亮くんが居たから、そんなこと言えなかったし。
なんとなく家に戻る気にはなれなくて、私は重い体を引きずって公園へむかった。



自販機であったかいジュースを買ってベンチに座る。
「はふぅ〜」

またエッチしなきゃダメだよね。
恋人同士なんだから。
亮くんは好きなんだけどエッチはそんなに好きじゃないかも。
少し気持ち良かったけど、病み付きになる程じゃないなぁ…。


ヒロの方が…。
……
…………
え?

私いま何考えてた…?

「っっ…!!」
声にならない声が漏れた。

私、最低……。
さっき彼氏に抱かれたのに違う男の人の事考えてる…。

「はぁぁ〜、何考えてんのよ……あたし」

何でヒロの事思い出しちゃったんだろう…。
私の脳はどんどん亮くんとヒロ比較していく。

やだやだっ!今はそんな事考えたくないのに…。
コントロールできないよ……。


「お前なにやってんの?」

へ?
ぐりん、と後ろを向くとさっきまで脳内にいた人が立ってた。

「ヒロ…」
「あー、とか、うーとかうるせぇぞ」
色んな気持ちを抑えて私はヒロに言った。
「色々とあるのよ!・・・覗きなんて趣味悪いじゃない!」
ちょっと怒った顔で言ったら、ヒロは以外にもばつの悪そうな顔をした。
「悪りい・・・邪魔だったら俺は消えるぜ・・・」
そう言い残すと、ヒロは私に背中を向けて手を振りながらその場を去って行ったのだ・・・拍子抜けする私を残して・・・


そんな事があってから数週間・・・
私は毎日亮くんの家に通っていた。
こんな中途半端な気持ちで付き合いたく無かったから・・・ヒロの事を少しでも忘れる為にと亮くんと毎日エッチしていた。
亮くんは兎に角優しくて、私は少しずつ気持ち良くなれるようになって・・・亮くんとのエッチで幸せと気持ち良さの両方を味わえるようになってきた。
正直、ヒロの事が心からは消え去らない・・・その事が亮くんに対する罪悪感のように私の心を締め付けていた。
エッチが気持ち良くなってから、私はその罪悪感を振り払うために・・・亮くんにより激しいエッチを求めるようになってしまった。
兎に角、今はヒロを振り払いたかったの・・・


「最近、悩んでる?」

「え?」

いつも通り、エッチが終わってベッドでいちゃいちゃしてる時、唐突に亮くんが尋ねた。

「何が?」
「だから最近悩んでない?」

亮くんは少し不機嫌みたい。
なんで?なんで怒るのよ。

「悩んでなんかいないよ」
「そう……ボクにも言えないことなんだ」
「違うって、悩みなんかないって言ってんじゃん」

思わずきつい口調になっちゃってハッとした。

「ごめん……もう帰るね……」



亮くんは私が知らない私の心を見抜いてたんだ。

それ以上に私の心は隙だらけだったんだ……。


もう……なんでこんなんなっちゃたかなぁ……。

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