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幼なじみ
官能リレー小説 - 女性向け

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幼なじみ 12

「亮くんおはよう…」
なんだか自分の声がいつもより艶っぽい気がする。
何ていうか、熱っぽいっていうか…感情が高ぶってるから出せるって言うか……。
「おはよう愛香ちゃん」

二人でホームルームが始まるまでお喋りして、授業が始まっても目を合わせたり……。

私、恋してるなぁって気が付くと思うの。

だって話してるだけでドキドキして。
目が合うだけで嬉しくて。
亮くんのことを想うだけで羽が生えたみたいに体が軽くなる。
ヒロの事は忘れられるし。

恋ってこんなに楽しいものだったんだ。
そんな恋の心地良い熱を大事に感じながら、私と亮くんが付き合ってから一月が経った。
まず、私の周りで変わった事は、毎日亮くんとラブラブで楽しい事。そして、この一月、ヒロとは殆ど顔を合わせなくなった事だ。
・・・と、言うより私の視界からはヒロの姿が見事に消えていたのだ。
そんな風に亮くんとラブラブになった私だけど、この一月、逆にどんどんと不安になっている事もある。亮くんの優しさと愛情を受ければ受ける程、別れた時の寂しさと不安感が大きくなってきたのだ。
学校からの帰り、亮くんと別れると、不意に涙が出てしまったり、夜寂しくなり、亮くんに電話をかけ、電話を終えた後ベットで泣き出した事もあった。

もう自分でも訳が分からないぐらい感情を持て余していたのだ。

だからこの日、閑静な住宅街の大きな家、亮くんの家に呼ばれた日、私は一つの決心をしていた。
亮くんにバージンを貰ってもらう・・・身体と身体が繋がれば、もしかするとこの不安感から解放されるかもしれないから・・・
いや、きっと亮くんなら私の不安感を消してくれると思う。

「はい、熱いから気をつけて」
透明なマグカップに入ったお茶を受け取る。心地よいハーブの薫りが鼻を抜ける。
「良い匂い、亮くんこういうの趣味なの?」
「うん、なんだか落ち着くでしょ?」
確かに少しづつだけど心が静寂を取り戻してる。
でも決心は揺るがないわけで……。


「亮くん…」
肩に頭をあずけて体をすり寄せる。それだけで愛しさが込み上げてくる。
亮くんは緊張したみたいで体が強ばったのがわかった。
「ねぇ……亮くんはあたしのどこが好き?」
「えっ!!」
いきなりだから無理ないか。でも困った顔の亮くんも可愛い。
「ねぇ、教えて?」
「言わなきゃダメ?」
「女の子は言ってもらわなきゃ不安なの!」
亮くんの目が左右に泳いでる。そんなに焦らなくても良いのに。

「えっと…」
「なになに?」
「いつも真っすぐな所…とか?」
「うんうん」
「それと…やっぱり一目惚れだったのかなぁ」

そう言って亮くんは私を見つめる。
「やだっ…本当に///?」
うん、と小さく頷く亮くん。


でも一瞬、私の胸を舐めるように見たのを見逃さなかった。
一瞬だったけど、あの時のヒロと同じ目だったから……。


少しだけ怖くなった。
ヒロと同じ男の目。
でもヒロとの違いは・・・ぎゅっと私を亮くんは抱きしめてくれる。
「でも・・・ちょっとエッチな事も考えたんだ・・・ごめん、僕凄く怖いんだ・・・そんな僕の汚れたような欲望をぶつけたら・・・愛香ちゃんを悲しませるんじゃないかって・・・僕は身勝手な男だけにはなりたくない・・・愛香ちゃんを幸せにしてあげる力は僕にはないかもしれないけど・・・どんな時でも愛香ちゃんの側にだけはいれる男になりたいんだ!・・・」
興奮して、少し涙目になる亮くん。確かに亮くんだって、ヒロだって、私だって性欲はあるんだ。
でも、亮くんは踏みとどまってくれたんだ。

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