友情から恋へ 1
「ちょ・・・ちょっと、鷹間君、待ってよ。」
アタシは、鷹間君と駅前を歩いている。
まだ異性として、彼を意識してなかった。
彼もアタシの事を異性として意識していないと、アタシは思い込んでいた。
だが実際は違っていて、彼はアタシに惚れていて、アタシと目が合うと心臓がドキドキするようになっていた。
それに気づいたのは偶然だった。
ふと落としたハンカチを拾おうと身を屈めた時、鷹間君の股間が目に飛び込んできたのだ。
瞬時に身を翻し、鞄でそこを覆った鷹間君に対して、アタシは気づかない振りをするしかなかったが、それは明らかに興奮していたのだ。
それ以来、アタシの視線は自然と鷹間君の股間を何気に追うようになっていた。
それでアタシは確信した。
鷹間君がアタシを、性的対象と見ているいることは、明白な事実として股間に現れるのだ。
こんなことならば、前のように異性として意識せずに、何でも話せる友人でいた方がよっぽどましだった。
勿論、そんな鷹間君に対して、アタシだって心臓がドキドキしない訳は無かった。
だが、この心臓の高鳴りは、恋や愛といったロマンチックな類いのものでは無いのも分かっていた。
それは当然とえば当然だった。
鷹間君本人は気づかれていないと思っていても、ダイレクトに興奮した股間を晒らされていては、そんな気分に浸れる筈もないのだ。
それでも、(嫌だ・・)と思う以上に、股間に顕著に現れてしまう、鷹間君の・・男の身体が哀れにも思え、フッと笑えてきたりもした。
増して鷹間君は、清廉潔癖と言われるほどに、肉欲とは程遠いところにいそうな男なのだから。
それを思うと、あの爽やかさすら讃える鷹間君のズボンの中身が気になった・・
テントを張ったように力強く布地を持ち上げる、あの支え棒の形状はどうなっているの?
そんな、肉欲とは無縁そうな鷹間君の股間の興奮を客観的に見れば、老若男女誰もが思うであろう、率直な疑問がアタシの中でも生まれない訳は無かった。
鷹間君が何故、アタシを性的対象として見るようになったかというと、アタシがHカップの爆乳だからだ。