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優柔不断な恋心♀×♂♂
官能リレー小説 - 女性向け

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優柔不断な恋心♀×♂♂ 3


"まるちゃんの花輪クンじゃ無いんだから・・"

強士は何も答えてはくれなかったけれど、
背中を向け、キザなポーズを取るその姿は、いかにも強士らしく、リカはクスリと笑った。

誰もいなくなった屋上で、リカは強士の残したコロンの香りを嗅ぎ取ろうと大きく深呼吸した。
強士が凭れていたフェンスを名残り惜しそうに、擦ったりもした。
強士を真似て、花輪クンポーズをキザにきめたりもした。

「何やってんだ?お前・・」
頭上から突然声を掛けられて、リカはギクリとした。
見上げる給水タンクからのその声は・・・雅志だった。


「イヤだ…なんでいるのよ?」

リカが言ったその“イヤだ…”に偽りはなかった。
強士とのやり取りを隠れ見ていただろう、雅志のその行動が信じられなかった…

雅志は吸水タンクから、身軽に飛び降りた。
シャツの裾が捲れ上がり、制服のズボンの上からカルバン・クラインのパンツのゴムが覗いて見えた。

「ずっと隠れていたの?」
リカのその口調は強かった。

「心配だったんだ…リカが、強士に行ってしまわないかと…気が気ではなかったんだ…ゴメン…」
その素直な“ゴメン”は、リカには堪えた。
ビジュアルだけだとはいえ、強士に対して欲望を募らせた…
そんな自分が恥ずかしかった。
そして、そんな雅志の嫉妬が、少しだけ嬉しくもあった。

「私こそ…ごめんなさい」
「リカが謝んなよ…」
「でも…」
「好きなんだろう?」
「え?」
「強士とヤリたいんだろ?」
「そ・そんな…止めてよ…」
「いいんだぜ、僕は…、何なら僕が強士に頼んでやろうか?」

バシッ!

リカは雅志の頬を、平手で叩いていた。

怒りと共に悲しみが込み上げた。
"バカ…"と、小さく囁き、雅志に背を向け、リカは階段に向け走っていった。


雅志はそんなリカの後ろ姿を見詰め、笑った…
『ははは…』と、声に出して笑った…
制服の上から股間を握り絞めてもみる…

それでも虚しさが込み上げるだけで、鼻の奥がツーンと、白じむだけだった…

見下ろすグランドに、部活帰りの生徒たちに混じり、強士の姿が見えた。
鞄を肩に背負い、猫背ぎみに歩くその姿はどこか寂し気で、
そんな強士に向かい、遠まきに熱い視線を送る、そんな女の子たちが何人かいるのが、この高い位置からは確認できた。

校門辺りに近づくと、強士は不意に顔を上げ、こちらを顧みた。
雅志は膝を折り、隠れるようにしゃがみ込んだ。

太陽の暖かさが膝頭に伝わってきた。
雅志はそのままコンクリートの地面に仰向けに寝そべり、大きな空をただ黙って見詰めた。


暮れゆく空はまだ明るく、目を細めないと見てはいられなかった。
頭上に円を描く烏が、間抜けな声を上げながら数を増やしていた。

雅志は手の甲を目に宛てがい、そっと目を瞑った。

遠くからコンクリートを擦る、そんな足音が近づいてくるのが分かった。
どこかの不良がタバコを吹かしにでも来たのだろうと、雅志は黙ってその姿勢を崩さずにいた。

頭上で止まる、その足音・・
雅志は面倒臭そうに薄く目を開いた。

「こんなとこで寝そべると制服、真っ白になっちまうぜ。」

そう言いながらも強士は、雅志の横に寝そべっていた。
「リカと会ったのか?」
空を見上げたまま強士は呟いた。

「ああ…頬を叩かれたよ」

え…?「マジかよ!」
強士は雅志のその言葉に強く反応した。

それも無理もなかった。
強士にしてみたら、つい数分前に“謝る”と言ったリカが、
なぜその舌の根も渇かぬ内に、雅志の頬を叩いたのか?
信じられない思いになるのは当然だった。

「はははっ、何ムキになってんだよ。お前の綺麗な顔が台無しだぜ…」

そう言いながら、雅志は寝そべったままの姿勢で、大きく伸びをした。
シャツの裾が上がり、色鮮やかなC・Kのゴムが、大きく覗き出た。
ショッキングピンクのそれは、風紀の教師に見つかれば、没収されそうなパンツではあるが、
滑らかな肌を持った雅志には、とても似合っていた。

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