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〜妄想しちゃお♪〜
官能リレー小説 - 女性向け

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〜妄想しちゃお♪〜 2


「カレシ、欲しいよね・・」
留香は潤いを持った膨っくらとした唇を窄め、二本のストローを同時にくわえた。

「いるからって、最近はヤラない男も増えているみたいよ…」
ミルフィーユは横からクリームが飛び出し、美しいフォルムは既に無くなりつつあった。

「セックスの主導権は男が握っているのよね。
どんなに女がヤリたいって言っても、男がノーと言えば従うしかない・・」
グラスに付いた水滴が流れ落ち、紙製のコップラックがそれを含み、濃く変色していく。

「カレシがいても欲求不満の女、案外多いかもね・・」
美月はミルフィーユの皮にべっとりとクリームを乗せると、素手でそれを伸ばした舌に持っていった

「お待たせいたしました」
長身のウェイターが留香に向け、皿を差し出す。
大皿の上には、幾つもの小振りのケーキがココアパウダーと共に、綺麗にデコレーションされていた。

「うわぁ。美味しそう」
留香は小さく声を上げ、美月に向け目配せをした。

留香が声にした"美味しそう"とは、もちろんケーキのことではないのは、美月には分かっていた。

このウェイターのイケメンぶりがあってこそ、美月は留香をこの喫茶店に連れてきたのだ。

スレンダーの身体に、浅黒い顔がオリエンティクだった。
細かいウェーブに、パーマを掛けた髪が、彼にはとても似合っていた。
腰エプロン上から捲れ見える、小振りの尻は、羨ましくなる程に引き締まっていた。

美月はウェイターの後ろ姿を見詰めながら、
指に付いたミルフィーユのクリームを、しゃぶるように舐めとった。

留香はケーキの盛られた大皿をテーブルの中心にずらし、
美月に向かい「一緒にたべよ。」と、去ったウェイターに向かい手を上げた。

「すみません。小皿をいただけます?シェアしたいので」
明らかに留香の声色は、美月と話す時とは違っていた。

「かしこまりました。もしよろしければ、私がお分けいたしましょうか?」
ウェイターは幾分か屈みこみ、垂れたウェーブヘアーを耳に掛けた。

シルバーのピアスが光っていた。

「ええ・・お願いします」
留香は上目使いでウェイターを見上げ、満面の笑みを浮かべていた。

「ぷっ!」
ウェイターが一旦大皿を厨房に引き上げるのを確認すると、
美月は堪えていた笑いを噴き出した。

「何ぃ〜?美月。どうかした?」
「ナニじゃないわよ。留香の変貌ぶりに驚いただけよ」
「そう?高い声や、上目使いに見上げる瞳って、男は好きでしょ?」
「バカねぇ〜それは大学にいる坊やたちに限ったことよ。女馴れした、大人の男には無理よ」
「下心が見え見えってこと?」
「そうヤリたいって、下心がね。」
「それじゃあ、どうしたらいいの?貴方のヒップラインは最高です!なんて、言える訳ないし・・」
「ははは。留香も見てたの?あの引き締まったお尻は、最高よね。」
「でしょ?私なんて、顔よりも先ず、お尻見ちゃう〜」
「分かる。分かる。エスカレーターで、目の前に小振りなお尻みると、ついどんな顔なのか確認しちゃうのよ」
「早歩きで、回り込んじゃうんでしょ?」
「そう、そう。顔見て、がっかりすることも多いんだけど・・」

くすくすと笑う美月と留香の基に、ウェイターが舞い戻ってくる。
「お待たせしました。何を話していらっしゃたんですか?楽しそうですね」

営業トークであるとは思えたが、その声色はとても自然だった。

「男性の身体についての考察をちょっと・・」
留香は上目使いで、からかうようにウェイターを見詰めた。

「それは興味深いですね。私も仲間に入れてもらいたい。」
ウェイターは動じることなく、にっこりと微笑んでみせた。

その、子供をあしらうような大人の対応が、美月は引っ掛かった。

「それなら、そのソムリエプロンはずしてくれない?・・」

隣で留香がプッ!と紅茶を吹き出した。

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