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ドコにもいかないでね…
官能リレー小説 - 女性向け

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ドコにもいかないでね… 2

その不躾な本人が今、私の体を抱き締める。まだ私たちはベッドの中だ。
『ちっさいなぁ。雛は…』彼は笑いながら軽くキスをする。昨日の夜のコトには触れないようにしてくれてるのが分かる。でも…言わなきゃ!
「健吾…あのね、私、精神科でカウンセリング受けようと思うの…。どぅ思う?」 健吾の腕に力が籠もる。 『どうして…昨日みたいなことがあるから?』
「…それだけじゃないよ」『それは俺じゃ力になれないコトなのか?』 とうとう雛は泣きだした。「そうじゃないの…っ!健吾には…ァタシいっぱい救われてる。でも…っ」 『でも?』 彼が私を促す。 「でもっ…私は知らない人たちに自分を売ったり…した汚い最低な人間だからっ…」
『………』 「健吾を好きになるほど辛いのっ…」
健吾はどう思っただろう…こんなアタシを大事にしてくれてるのが分かるから余計に辛い。
でもなんとかしようって決心したのも一杯考えた結果なの。理由もちゃんとある。
 
この間、彼と買い物に行ったとき彼の同僚さんに会っちゃったのがきっかけ…。「健ちゃんじゃない?」
かわいらしい女の人が近づいてくる。綿菓子みたいな人。背丈も健吾と釣り合ってる。私に好奇の目を向ける。
「彼女さん?」
その時直感した。この人健吾が好きなんだ…。健吾は「あぁ。」
って返事をする。私は頭を下げた。健吾の彼女として紹介されるのは悪い気分では無いけれどこの人の前だとなんだか惨めな気分になってしまう。きっとこの人なら彼と対等に付き合っていけるんだろうななんて考えてしまう。大人な2人を見てると体を売ったりした自分が情けなくて…健吾の隣で気後れしてしまった。
彼女は頭から爪先まで綺麗に行き届いた格好をしている。
ふと自分を見れば、履きふるしたジーンズに何の気無しに突っかけたサンダル、髪だって彼女程手入れをしていない。
(私より…)
また、マイナスな自分が顔をだしはじめた。

『じゃぁ、また会社で』

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