その捜査の間、暁奈と純菜からはひっきりなしに『大人しく待ってます』『仕事は順調ですか？』等々メールが届く。
（この反省の気持ちが続いてくれたらなあ……）そう正人も、可愛い所のある２人の行為にそう思わずはいられなかった。

そもそも暁奈と純菜を奴隷として失格と思っているのは……奴隷と言うのは、淫乱なだけでは奴隷と言わない。
精神的な服従心があって始めて奴隷なのだ。
だから主人が『我慢しろ』と言えば我慢……
SMでは我慢も調教の一つであり、また奴隷としての基本で、奴隷は主人に我慢しろと言われて耐える行為を恍惚として受け入れねばならない。
肉体的な事より、むしろ精神的な所が奴隷としての重要部分なのだが、恐らく調教では肉体開発に重点がおかれ、精神的な調教が疎かになったのでは？……そう正人は思っていた。
我慢できず男を求めるようでは奴隷でなくて只の淫乱痴女でしかない。
まあ、正人にとっては彼女達が優秀な奴隷かどうかはさして重要ではないが、『家族』として誰にでも抱かれるようでは困ると言う思いがあった。
しかし、そればっかりに気にかけてはいけない。
翌日も朝から捜査を開始する。
ようやく、目的の人を見つけた。
目的の子（依頼人の姪らしい）はケガしてるらしく、病院に連れていく。
何日か後で、彼女に話を聞いたところ、奇妙な事件に巻き込まれたらしい。
その事件とは、家族でドライブしてたところ、何者かに襲われたらしい。
そして両親は死亡、自分は妹と逃げたが途中で襲った奴らに捕まり、調教と言う名の拷問を受けたらしい。
その後、何とか妹と逃げたが、途中離れ離れになったらしい。
正人は、暁奈達を誘拐し調教した組織と関係あるのかな？なんて思った。
そして依頼人から追加で彼女の妹の捜査を依頼された。
その彼女の妹は、すんなり見つかった。
彼女は裸で倒れており、体中に物凄い傷があった。
また、雫や結香が近づいても明らかに怯えている。
しかし、雫や結香が何とか説得して車に乗せて病院に連れていく。
俺は彼女を病院に連れていくと、警察に行きこの事件を説明する。
警察によると、暁奈達が組織に誘拐された事件みたくかなり頻発に起きてるらしい。
「新たな事件…ですかね？」
雫がそう言う。
俺は「ああ、多分な。」としか返せなかった。
そこで茜に電話でこの件について聞いてみる。
茜は、もしかしたら犯人は分裂した組織のうち、組織のボスについていかなかった連中の仕業かもと言ってた。
そして、やはりこの手の事件は数件起きてるらしい。
とりあえず、依頼人から報酬をもらい、ホテルに戻り調べる。
パソコンを開くと暁奈達からメールが届いていた。
内容は「新たな事件の捜査頑張って下さい。あと、帰りを楽しみにしてます。」というものだった。