その時にちょうど玄関のベルが鳴る。
とりあえず出てみると、俺宛に郵便が来たらしい。
中を開けて見ると、手紙と、彼女の親権が俺にあることを知らせる役所の通知書だった。
「佐藤さんお元気ですか？彼女を完全にあなたのものにするための手続きをしたので、通知しました。なお、サイトの方ですが、本日朝６時をもって閉鎖しました。ご利用ありがとうございました。」と手紙にはあった。
「偽文書では…ないな」
敬介はそうつぶやく。
確かにここの区の文書で、ご丁寧に彼女の両親のサインまである。
「じゃあここの街に犯人がいるのか？」
俺はそう聞く。
敬介は
「いや、多分違う。この日付はつい最近のものだし、この文書に書かれてる住所はあるが、そこはＪＲの駅だ。」
敬介はそう答える。
「じゃあ犯人は一体…」
「さっきも言ったが、この道のプロだろうな。抜けが全くない。」
「……それよりも、彼女は調教されているわね……さっき了解を得て調べてみたけど前も後ろ開発済みでご丁寧に永久脱毛処理済み…彼女の実家とか調べたほうがいいわね……警察に知り合いがいるから探りいれて見る？」
「頼む…」
敬介は言うと茜はケータイを操作し話し始めた。

暁奈は少しずつ話し始めた。翌日放課後に突如浚われ気が付いた時には何処かの別荘に監禁されていた……。
そしてその地下牢みたいな所で長い間調教を受けたという。
その内容は、よくＳＭ系のビデオにあるやつから誰もがしないようなやつまでされたそうだ。
ちなみに例の手紙は書かされたそうな。
そしてある日、「お前のご主人様が決まった。制服を着てこっちに来い」と言われてから記憶が無く、気づいたら正人のアパートの前だったということだ。

「あ、はいわかりました。」
茜はそう言って電話を切る。
「何か新しい情報は？」
と敬介は尋ねた。
茜は答える。
「ええっとね、他にもさらわれた娘はいるみたいよ。それぞれの女の子の年齢はバラバラ、６歳から２５歳位だけど、１６〜１８歳が一番多いみたい。この事件の発生箇所なんだけど、バラバラで、北は札幌から南は沖縄まで。でもやっぱり東京が発生件数が一番多いね。
トータルだと、３００件近いらしいわ。しかもどの事件の犯人も捕まってないらしいわ。何か大きな組織が関与してる可能性大ね。
あと彼女の両親だけど、この事件がきっかけで離婚したそうよ。