レースを盛り上げる、サーキットの華。
それがレースクイーンでありとりわけ日本の場合は派手で外国人レーサーもよく驚く事もある。しかし彼女らはバイトといった素人からプロのモデルやグラドルの卵といったところまで幅広い。西村明日香は前者であって家族揃ってレース好きと言う事でこのバイトをしている。
「あっちゃん、学校から直行したんだ」
「うん！」
花の高校生である彼女に話しかけるのが同じバイトをしている松本栞、大学生である。彼女の場合は恋人がレース好きで数年前にレースクィーンが都合が付かなかった所に関係者が栞を見つけ口説き一度限りと言う事でしたが彼氏が気に入りそのままバイトを続けている。レースは週末にするので学生にとっては都合がよくその上見入りがよいのである。
所属しているレーシングチームのスポンサーにアパレルメーカーがあってその縁で衣装に関しては楽である。


「あっちゃん、しーちゃん、久しぶりっ！」
「ナオさんお久しぶりです！」
「今年も楽しみだよねー」

明日香と栞のところにやってきた彼女は水樹菜桜。
中堅事務所に所属する駆け出しのグラドルで、活動の幅を広げるためレースクイーンの活動も行っている。
この３人で一つのレーシングチームの担当だ。

レースクイーンは基本高身長で美脚が好まれるのだが３人はそれに加えて胸もかなりのボリュームを誇る。
明日香や栞に注目している関係者も多いのだ。

かつてはワンピースの水着でハイレグにして脚線美を競っていたが、近年の衣装は割と露出度の低いセパレートが主流なので、
よりラインを出す事でセクシーさを競う方向となり、バストとのヒップの大きさと形の良さが重視されるようになった。
レースのマシンが洗練されていくように、レースクイーンもパットやガムテープによるごまかしでなく、生理食塩水のバッグや脂肪注入でサイズと自然な揺れと重量感が再現される。
顔も整形丸出しの人工的な美でなく、若くて可憐な中にも妖艶さが見え隠れして多くの男性を魅了する。
しかし、努力と運は必要で三人はエクササイズや形の維持に加えて生まれ持っての豊満さと、笑顔と愛想の良さで多く撮影されることで衣装に入っているスポンサーのロゴも多く写って貢献できた。

「やあ3人ともよく来てくれたね。今年のコスチュームだよ」
アパレルメーカーの関係者が3人に衣装を手渡す。

セパレートのヘソ出しルック、下はミニスカ風。
夏場は上の衣装を脱いでビキニになるといった具合。
「へぇ、結構攻めるのね…」
「あっちゃんもしーちゃんも似合うと思う。2人ともグラビアやってもいいと思うもん」

「いや、ナオさんほどじゃないですもん」
「人前に出て水着とか、緊張しちゃうなぁ」

「あっちゃんやシーちゃんはそれだけのモノを持ってるんだからもっと自信もっていけばいいんだよ。そうだ、今日の発表会ね、うちの社長も見に来てるの」
「ナオさんの、事務所のですか？」
「うん。あっちゃんやシーちゃんにも注目してると思う…」

明日香や栞はあくまでバイト感覚だが、彼女たちを見る目は大きく違うのだ。
菜桜の言葉にはそれが見えていた。