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撮影少女
官能リレー小説 - アイドル/芸能人

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撮影少女 1

 町外れにある小さなキッズタレント事務所。そこには連日芸能界入りを目指して演技を学ぶ子供達がいた。そこへ週に2〜3回通う小さな女の子がいた。彼女の名は相葉琴音…。
 彼女は大林事務所に通い始めて今年で5年目になる所だった。未だ彼女へのオファーは無く、ただ事務所での練習の日々を繰り返していたのだった。今年に入り、半年の間に幾つかのドラマや映画のオーディションを受けたが、ほとんど一次審査で脱落。その中で1つだけ最終選考まで残ったものの…結果はダメだった…。
 ある日のことだった…。何時もの様に学校が終わって事務所へと向かうと、事務所で働く、小杉と言う女性マネージャーが、勢い良く彼女に抱きついて来た。
 「良かったわね。貴女に映画デビューのオファーが来たわよ」
 「ふえ…?」
 琴音は何を言っているのか最初分からなかった…。マネージャーから詳しく話を聞くと…、以前オーディションを受けて最終選考まで残ったけど、ダメだった映画監督が改めて資料を見直し、相葉琴音にオファーの声が掛かった。
 翌日…マネージャーと一緒に映画監督に挨拶しに出掛ける。
 映画製作会社のオフィスビルへと行き、映画監督である雪村に挨拶をした。
 「ああ…良く来たね」
 監督は少し小太りで鼻の下と顎に無精ヒゲを生やし、黒ぶちメガネを掛けていた。
 「こんにちは、琴音ちゃん」
 「どうも…こんにちは…」
 琴音は緊張していた。
 「実は先日、僕のオーディションを受けた時から、君には目を付けていたんだよ。落選したのは、君には芸能歴が無かったからなんだ…でも、今回君を選んだのは、あるワンシーンだけ君を使ってみようと試みたんだよ」
 彼はそう言って台本を2人の前に出した。映画の台本は分厚くドサッと音を立てて2人の前に出される。
 「今回、僕が監督する作品はサスペンス作品でね、君にはこの作品の重要な場面に出て貰いたいと思ってね…」
 雪村は台本のページをパラパラ…と捲り、その一部分まで来るとページを押し広げて赤ペンで線で取り囲んだ。
 そこに書かれている内容は、犯人と思われる人物に追われる少女…。少女は犯人に捕まり衣服を破らせられて、レイプされ…やがて殺される…と言う内容だった。
 「ワンシーンだけど…、作品としては非常に重要なシーンだ…。君に出来るかな?嫌だったら…他の子に頼むけど…」
 ずっと待ち続けた芸能デビューであり、この機会を逃したら次に自分に声が掛かるのは何時になるか分からなかった…。
 琴音は大声で「やります!」と答えた。彼女にとっては、ある意味ここが瀬戸際かもしれなかった…。
 撮影当日…、撮影スタジオには沢山のスタッフが集まっていた。その中に琴音が居た。過去に何度か撮影現場に見学しに来た事はあったが…。自分が実際に役者として演技を披露する事になるのは今回が初めてであった。スタッフが撮影機材をチェックしている中、琴音はメイク担当者に顔のメイクの手入れを施してもらっていた。
 準備が整い始めると、役者達に来てもらうよう呼びかけが掛かる。
 一緒に役を演じるのは背丈の大きい男性だった。彼は優しい雰囲気のある男性で、今回の役では異常性犯罪者としての役をする事になっていた。
 「大丈夫?落ち着いて行こうね」
 犯人役の人に励まされて、琴音は少し複雑な気分だった。
 準備が整い、撮影開始の秒読みが始まり、パチンッと版を叩く音共に撮影が開始される。
 映像の中で琴音は少女役として逃げていた。それを追い掛ける男性…。
 やがて薄暗い室内に逃げ込み、ベッドの下に潜り込む。男性も室内に忍び込み辺りを見回す。
 違う部屋か…と、男性が室内を出ようとする。ホッと安心した少女だったが…。足下に転がっていた空瓶に足が当り、コロンッと空瓶が転がる音が沈み返ったし室内に響き渡る。
 (しまった…)と、少女が思い、視線を外に向けると、目の前に男性の悪意に満ちた視線があった。男性は少女を引きずり出し、ベッドの上に押し倒す。
 「いやー、やめてー」
 その表情を見ていた男性が内心で(おや?)と、少し戸惑いながら、少女を抱きかかえる。
 それを見ていた監督が気難しい表情を浮かべ撮影していたスタッフに首を横に振る。
 「カットー!」
 その言葉に周囲は、溜め息の声が漏れる。
 撮影現場から戻って来る琴音に向かって監督が直に声を掛けて来た。
 「琴音ちゃん、今の演技は何?あれじゃダメだよ…。もっと本気で怖がらなきゃ」
 「本気で怖がったのですけど…」
 ふぅ…と、溜め息吐いた監督が今、撮影した映像を琴音に見せる。
 「学校の演劇だったら、これでも良いかもしれないけど…、僕達はお金をもらって沢山の人に作品を観てもらうんだ。その為には演技力が不可欠なんだ。今の君には少し難しいかもしれないけど…役を演じるには自分を捨てて、本気でそのキャラに成り切る覚悟が無いとダメなんだ」
 「それはつまり、どう言う事なんですか?」
 「君はレイプされる少女なんだ、つまり本気で怖がるんだよ。例えて言うと…必死に逃げていた女性が行き止まりの壁にぶつかって、逃げ場を失い生きるか死ぬかの境で絶叫する…と言う様な感じかな…」
 そう言われて想像して見たが…いまいち琴音にはその場面が浮かび上がらない。
 「君は友達や家族と本気でケンカした事あるだろ?もしくは…お兄さんとか…」

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