アイドルユニット「エロエロガールズ」 37
のり子「(…寝れない)」
寝たいと思っても、なぜか目が冴えている。
隣の布団がモゾモゾ動く。
それは晴樹も同じだった。
のり子「晴樹さん…?」
晴樹「のり子ちゃんもか」
のり子「私、イケない事しちゃったかも…」
晴樹「えっ?」
のり子「私、晴樹さんを奪った事で優ちゃんと礼香ちゃんと美貴ちゃんが私をイジメたり、無視してしまうんじゃなかったと思っちゃったんです…よく、アイドルグループでメンバーの一人が恋人できた事で、冷たくすると言う事、よく聞きますし…」
のり子が不安そうな顔をする。
しかし
晴樹「…のり子ちゃんは考えすぎじゃないかな」
のり子「えっ?」
晴樹「あの3人がそんなことをするように見える?」
のり子「そ、それは…」
晴樹「(その3人のうち誰かが真人と出来てるかもしれないけど)」
のり子「皆が晴樹さんと真人さんのことを好きなのは知ってるけど、私だって、譲れないものがあるんです。でも、いざとなると不安で…」
晴樹「(欲が強いのかそうじゃないのかどっちなんだこの子は)」
のり子「晴樹さんは譲れない、でも皆に嫌われたくない…」
晴樹「だから、深く考えるなって」
晴樹はのり子の頭をそっと撫でた。
のり子「晴樹さん…ありがと」
のり子の瞳に、うっすらと涙のようなものが見えた。
安心したのり子は、そのまますぅすぅと寝息を立てて眠りについた。
晴樹「まだまだ子供なのかな」
それを見て、晴樹も。
それぞれの長い一日が、ようやく終わった瞬間だった。