初体験はお姉ちゃんそして…… 71
「美味し〜い。最高〜。」
沙耶は上機嫌だ。
「うん。これは最高だ。」
「ねえお兄ちゃん。」
「ん?」
「後は何が出てくるの?」
「甘いデザートとコーヒーが……あ、ボーイさんコーヒーは紅茶にしてもらえますか?」
「かしこまりました。」
「紅茶でいいの?」
「沙耶はその方がいいだろ。」
「お兄ちゃんありがと。」
次に出てきたのはチョコムースだった。
「あ〜これすごく美味しい。沙耶これが一番。」
「そうか。まだ中学生だもんな。」
「どうせ子どもだも〜ん。」
「その顔も可愛いよ。」
「えへへ〜。」
沙耶は赤くなって照れた。
最後は紅茶。
「あ、レモンは潰さないんだよ。」
「そうなの?」
「香りがつく位が丁度良いんだ。」
「そうなんだ〜。」
「美味しかったね〜。」
「多少はマナーわかった?」
「うんっ。」
「そうか。じゃあ帰ろう。」
「ねえ〜歩いて帰ろ〜。」
「良いよ。」
「それから〜手繋いで〜。」
「はいはい。」
「じゃ〜行こ〜。」
長い2日間のデートが終わった。
「ただいま」
「ただいま〜。」
「お帰り。二人とも早かったわね。」
母親が迎えてくれた。
「沙耶はお兄ちゃんにべったりね。」
「沙耶、もう離れてあげたら?」
お姉ちゃんも出てきた。
「舞お姉ちゃんに……むぐっ」
お姉ちゃんは沙耶の口を押さえた。
「あ、そっか〜。」
沙耶は納得したようだ。
「そうそう。お昼は食べてきたよ〜。」
「フランス料理のコースを」
「あんたお金あったの?」
お姉ちゃんが目を丸くした。
「沙耶がゲームセンターで割引券いっぱい当てたから。」
「ふふっ。沙耶は天才ね。」
お姉ちゃんが笑った。
その夜
「ねぇお兄ちゃん入るよぉ。」
「良いよ・・・・・・って既に入ってるのか。」
「私もどっかつれてってよぉ。」
「そうだな・・・・・・沙耶はテストで得点が上がったらって約束したから。」
「私だって上がったよ。」
「それは既にわかってる事だから・・・・・・そうだ。数学の宿題を残りの3分の1終わらせたらってのはどうだ?」
「じゃあ徹夜してでもやる。」
「頑張れよ。」
「お兄ちゃんも協力してよ。」
「はあ?」
「わかんないとこは個人教授して。」
「全く・・・・・・」
「あら?何してるの?もう1時よ。早く寝なさい。」
「舞お姉ちゃん。私今日は徹夜する。」
「宿題そんなに多いの?」
「数学を3分の1終わらせたらお兄ちゃんと出掛けられるから。」
「明日は勘弁してあげなさいよ。」
「そうしてくれると助かるな。」
「じゃあ明後日ね。」
「二人とも程々にね。」
「ありがとう。」
「ねえお兄ちゃんこれはどうやるの?」
「ええと・・・・・・どうやるんだっけ?」
「もぉーしっかりしてよぉ。」
「教科書貸して。」
「はいこれ。」
「あ、ここだ。」
「あ、思い出した。」
「じゃあ自力で。」