初体験はお姉ちゃんそして…… 69
朝食はバイキングだ。
「ご飯と納豆と味噌汁と・・・・・・」
「お兄ちゃん和食なんだ。沙耶は洋食だよ〜。」
沙耶の席にはフランスパンとジャム、ポタージュスープがあった。
「でもコーヒーは飲むよ。」
「へ〜。何で?」
「『何で?』と訊かれてもね。」
「ふ〜ん。」
「ご馳走様。」
「もういいの〜?」
「でもお茶漬けを食べたから二膳食べたぞ。」
「だって納豆と海苔サラダしか食べてないじゃん。」
「食べ過ぎないほうがいいだろ。」
「沙耶はお代わりして来るね。」
「全く沙耶は良く食べるな……」
結局沙耶はフランスパンを5切れ、目玉焼きを2人前、サラダを2皿、ベーコンを6枚、スープを2杯、そしてバナナを1本食べた。
「食べすぎじゃないか?」
「だから沙耶が食べたのは〜・・・」
「胸にいくんだったな。」
「流石お兄ちゃん。」
「ホラ、クリームついてるぞ。」
僕は沙耶の口の横についているクリームを指で取って自分の口に運んだ。家でも時々やる事だが沙耶は真っ赤になった。
「どうした?」
「お兄ちゃん・・・なんで意識しないの?」
「だって相手は沙耶じゃないか。」
沙耶は口を尖らせた。
「さて、もう十分か?」
「うん。一回お部屋に戻って〜出る用意しよう。」
「そうだな。沙耶はこれからどうしたい?」
「カラオケ〜。」
「そういう事だけじゃなくて、何時まで時間あるんだ?」
「え〜?別に何時まででも良いけど〜。」
「計画してあるんだろ?」
「カラオケの後は〜お昼食べて〜・・・・・・」
「それ以上出て来ないならそこまでにしよう。」
「うんっ。」
「じゃあチェックアウトするか。」
「じゃあお兄ちゃんお願い。」
「この割引券で。」
「かしこまりました。又ご利用下さいませ。」
僕らはカラオケに向かった。
「何時間にしようか?」
「じゃあ〜3時間。」
「わかった。」
カラオケ店の戸を開けると暇そうなバイト店員がいた。
「あ…いらっしゃいませ。」
「2人で3時間。フリードリンクで。」
「かしこまりました。」
僕らは部屋に入った。
「え〜と……まずこれ。」
♪♪♪……
「逢い〜たい〜今〜、優〜しい〜君〜に桜キッス。トキメイたら爛漫恋しよっ」
♪♪♪……
「『桜蘭高校ホ○ト部』の『桜○ッス』か。」
「よく知ってるね〜。」
「よく見てたもんな。」
「お兄ちゃんは〜?」
「じゃあ僕はこれ。」
♪♪♪……
「藍より青し〜大空に大空にたちまち開く〜百〜千の〜」
「?何それ?」
「『空の神兵』って言う軍歌だよ。」
「なんか他のレパートリー無いの〜?」
「そうだな……『名探偵コ○ン』とか?」
「それなら沙耶も歌える〜。」
「『願い事ひとつだけ』は?」
「古いよ〜。」
「出来〜るだけの〜笑顔で手を振れば〜」
「ちょぉっとだけでも〜綺麗に見える〜のか〜な〜」
♪♪♪……
「お兄ちゃんちょっとジュースもらいに行こう。」
「そうだね。」
僕らはカラオケを楽しんだ。