初体験はお姉ちゃんそして…… 48
「それはそれで問題。」
「ふふふっそうかもね。じゃあとりあえず出ましょ。」
「次はどこ行く?」
「何も計画してないのね。」
「うん……お姉ちゃんと二人っきりになりたかっただけだから……」
「じゃあ前回行って台無しになったカラオケにでも行きましょう。」
「そういえばあれは大変だったね。」
「今回は歌いましょうね。」
「じゃあお姉ちゃん今度こそ耳栓買ったほうが良いよ。」
「大丈夫よ。」
「守るも攻めるも鉄の〜、浮かべる城ぞ頼みなる〜、浮かべるその城、日〜の本の〜、御〜國の四方を守るべし!」
「ストップ」
ピピッ
「お姉ちゃんなんで止めたの?」
「もうちょっとまともな歌は歌えないの?」
「何で?」
「デートなのよ。」
「う〜んじゃあお姉ちゃんが歌ってよ。」
「じゃあ……これね」
♪♪…
「さよなら大好きな人〜、さよなら大好きな人〜」
「それ悲しくない?」
お姉ちゃんが歌い終わったところで僕はまた言った。
「それやっぱり悲しいよ。」
「じゃあ悲しくないの歌ってよ。」
「もう予約してあるよ。」
「このごろ流行の女の子〜、お尻の小さな女の子〜」
「古い、却下。」
「キューティーハニーはだめか。」
なんだかんだ言っても楽しいひと時を過ごした。
「楽しかったー。」
「そう?なんだかいろいろ文句言って悪かったわね。」
「僕はおねえちゃんといられただけで楽しかったよ。」
「嬉しい事言うわね。」
お姉ちゃんは本当に嬉しそうな顔をしてこう続けた。
「お礼にお昼奢ってあげる。」
「それは悪いよ。」
「遠慮しないの。何食べたい?」
「お姉ちゃんの好きなものが良い。」
「もうっ可愛いー。」
ぎゅっと抱きしめられた。
「ここは道路だからやめてよ。」
「あ、そうだった。ねえカップルに見えるかな?」
「僕が一方的に遊ばれてるから……」
「そうか……じゃあもっと遊んじゃお。」
「お姉ちゃんそんな……」
「友達に見られても大丈夫でしょ?」
「でも僕は本気でお姉ちゃんが……好き…。」
「やっぱりここが一番良いわね。」
昼食は高校の近くのカフェにまた来た。
「そうだね。僕もおねえちゃんもすっかり顔なじみになったね。」
「じゃあ何にする?」
「奢ってくれるならおねえちゃんと同じもので。」
「食べきれないでしょ。」
「あ、そうか……じゃあ……子牛のミニステーキにする。」
「じゃあ私はステーキセットにしようっと。ボーイさーん。」
「はい。ご注文お決まりでしょうか?」
「子牛のミニステーキとステーキセット。セットはライスとポタージュスープで。」