初体験はお姉ちゃんそして…… 42
「やっぱり食べ過ぎた……」
「本当に胃袋小さいわね。」
「私デザートにイチゴタルト。」
「沙耶はメロンソーダフロートと黒糖カステラ。」
「僕はもういい。」
「じゃあ私のモンブラン一口食べる?」
「結構です。何でみんな太んないんだろう?」
「あんたが太んない理由はわかるけどね。」
「だから〜胸にいってるんだってば。」
「舞お姉ちゃんならわかるけど沙耶はまだ……」
「茜お姉ちゃんのバカ。お兄ちゃんとおんなじこと言うんだ。」
「僕は『どこが?』って聞き返しただけだぞ。」
「あんたその方が重罪かもよ。」
「お待たせ致しました。イチゴタルト、メロンソーダフロート、黒糖カステラをお持ちいたしました。」
「わー来た来た。」
「イチゴタルトは私。」
茜と沙耶は大喜びだ。
「ははは。すごい食欲だな。」
「あんたとは対照的ね。」
「舞お姉ちゃんこれからどうするの?」
「あら?茜はもう食べ終わったの?」
「うん。で?どうするの?」
「そうねえ・・・・・・」
「沙耶は〜前に行ったゲームセンターに・・・・・・」
僕は沙耶の言葉を遮った。
「却下。」
「ぶう〜」
沙耶は不満そうに頬を膨らませた。
議論は続いたが僕はこう言った。
「一回家に帰ろう。もうこれ以上持てないから。」
するとお姉ちゃんが
「そうね。じゃあ行きましょうか。」
と同意してくれた。
「え〜」
沙耶は不満そうだったが
「一回帰ってまた出てくればいいでしょ?」
とお姉ちゃんが言ってなだめてくれた。一方で茜は何も言うことなくついて来た。
「ただいま」
「みんな早いのね」
母が迎えてくれた。
「はぁ〜」
僕はため息をついて荷物を降ろした。それを沙耶と茜がそれぞれ部屋に持っていった。
「お姉ちゃんは?」
「服持ってく前にあんたを何とかしなくちゃ。」
「大丈夫、部屋に戻って一休みするから。」
「そう?まあ無理しないでね。」
そう言うとお姉ちゃんも部屋に戻っていった。僕はとりあえず部屋で一休みし、台所に行ってインスタントコーヒーを入れた。そこにお姉ちゃんが入ってきて言った。
「雨が降ってきたわ。命拾いしたわね。」
「沙耶と茜は?」
「残念そうだったけど明日もあるって言っておいた。」
「ふーん。」
僕は
「お姉ちゃんの分も淹れようか?」
と聞いた。
「ありがとう。」
「お姉ちゃん、コーヒー淹れてる間に茜と沙耶も呼んで来てくれる?」
「いいけど何で?」
「雨で行く当てがなくなって持て余してるだろうと思って。話し相手にでもね。」
僕は人差し指をピッと立てて言った。これは僕の癖なのだ。
「じゃあ呼んでくるわね。」
お姉ちゃんは台所を出て行った。
「さて……お姉ちゃんはお砂糖少なめでミルク要らないんだったな、茜と沙耶は紅茶でいいかな……」
とつぶやいていると
「呼んできたわよ。」
3人で戻ってきた。