PiPi's World 投稿小説

俺の開拓物語
官能リレー小説 - SF

の最初へ
 3
 5
の最後へ

俺の開拓物語 5

オムライスの調理の手伝いをしていると、突如ドローンの一機の動きが悪くなった。他は正常なのでその機体だけにトラブルが起こったらしい。
警告と共に新たな空間ディスプレイが表示される。
カメラに網のような何かが被さっていてそれで動きが悪くなっているのだ。
 すぐにほかのドローンを何機か、救援に差し向ける。
 何かが刺さったドローンにも、何とか抜け出させようとするが手間取っている。

「ほかのドローンも近づいたし…よし」
「あれは…蜘蛛かしら?…いや、違いますね」
「おいおい、アラクネか?」

 俺は、他のドローンが捕まったドローンをカメラに捉えたのを見た。
 蜘蛛のような生物が、糸を吐いているんだ。
 だが、それは蜘蛛じゃない。蜘蛛をさらに大きくしたような体に、人間の女の子のような上半身を載せている。伝説に出てくるアラクネそのものだ。しかもその人間の部分を見ると、結構かわいい。
 
「とりあえず、解放しましょう」
「そうだな。アラクネ本体は倒さない程度に」
 
 俺が指示を出すと、捕まったドローンと、駆け付けたドローンがビームを放つ。
 蜘蛛糸は次々と焼け落ちていき、なんとか捕捉を逃れたドローンと応援のドローンは彼女の元を離れる。
 高度を取り、攻撃圏外に脱してから、応援のドローンには離れた位置で監視させて、元のドローンは一度呼び戻した。

 俺が、ドローン達の操作や指揮をしているうちに、オムライスの香りが漂ってきた。
 
「マスター、お待たせしました。オムライスができましたよ」
「手伝うつもりだったのに、一人でやらせてしまったな。ありがとう」
「こちらこそ、ありがとうございます」

 キッチンを出て、テーブルに俺達の食事を並べる。そのまま俺達は向かい合って座った。
 元が宇宙軍の給糧艦だから、俺達二人で使うにはちょっと広すぎるがそこは気にしない…というか、ヒルデガルトの趣味で置いた観葉植物や、他にもコンテナを入れて収納スペースに流用したりしたから、元の乗員食堂よりは小さくなっている。

「おっ、旨味がきいてていいな。それにちょっと辛くていい」
「少しスパイスで工夫しましたから」

 ヒルデガルトと俺の味の好みは、偶然だがよく似ていた。そのせいもあって彼女の作ってくれるメシは美味しい。


 俺の食べっぷりを見ながら、ヒルデガルトも美味しそうにオムライスを食べている。バイオノイドは基本的に人間と同じ食事をエネルギーとして活動するから、こうして普通に家族か仲間のように食事したりもできる……嬉しそうにしている彼女を見ると、なんだか同棲相手にメシ作ってもらったみたいな気分になってくるな…。
 俺も、女の子と付き合った事はあるし、ヒルデガルトを買ってからの付き合いも長いし彼女は忠実に仕えてくれている。もちろん人間の女性がされると嫌がるような事は、バイオノイドである彼女も嫌がるし、だいたい俺はそんな事しない。
 自分好みの外見性格のバイオノイドを選んだせいもあるだろうが、ヒルデガルトの事も時々、性的に意識してしまう。

 特に、Hカップか、もしかするとIカップありそうなおっぱいに、ついつい視線が行ってしまう。でも、それに反応する声は嫌がるようなそぶりじゃなくて、その…

「マスターったら…」
「あー…すまん」

 恥ずかしくなった俺は、慌てて残りのオムライスをかきこむ。
 そんな俺を、嬉しそうなにこにことした様子で見つつ、彼女もゆったりとオムライスの残りを食べていた。

「とりあえずドローン達に情報を集めてもらって、事前情報と照合。探索の続きは明日だな」
「もう日が沈みましたし、そうしましょう」

SNSでこの小説を紹介

SFの他のリレー小説

こちらから小説を探す