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神装機伝アハトレーダー
官能リレー小説 - SF

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神装機伝アハトレーダー 28

どうにかグラス弐式から逃げ切ったカターリナ。後は指定ポイントに向かうだけである。
だが、前方を黒いクラゲの様な物に塞がれた。魔物のようだったが、違った。
「滞空機雷?一体誰が…」
どこからか流れてきた3機の機雷にダイダイオは思わず動きを止める。
明らかに味方の装備ではなかった。
本来それは輸送機や艦艇に搭載されるか、汎用性を捨て専用機材を積んだ特殊作業ロボットで運用される。

さもなくば装機歩兵の上位機でほぼオーダーメイドの装機騎兵。
出力は歩兵クラスの倍以上、高性能CPUの制御で特殊兵装の運用も可能だ。

少なくとも今回ドゥティ隊の輸送機にそんな装備はなかった。

「まさか…地球側に騎兵クラスの装機があるというのか?」

騎兵クラスならば機雷の他、戦艦並のビーム兵器に大口径火砲、多連装ミサイル等のオプションもありうる。

カターリナのレーダーには複数のスナイパー機…を模した複数のデコイユニットと、不自然な反応をキャッチしていた。
申し訳程度のステルス機能を持った、おそらく改造作業機。

「ふ…舐められた物だな、旧式のグラス号に続いて、ガン・ピースとはな。」

ガン・ピース…特定の機体名ではなく作業ロボに粗末な武装と装甲を施した機体の俗称である。
カターリナのレーダーが感知したガン・ピースは機雷配置の抜け道に陣取っていた。
そいつは見え見えのアンブッシュを仕掛けるつもりらしい。

「遊んでやる、ドゥティ隊長も輸送機に戻られた様だしな?」

ダイダイオの実力は本物ながら、性能差で敵を蹂躙する嗜虐嗜好で部隊行動を乱す悪癖があった。

輸送機からの通信でセクシーな六尺褌姿のドゥティが、機体を捨ててでも戻って来いとがなり立てていた。
厳密には…試作品の薄型パイロット・スーツが彼の日焼け肌と同色、下半身のモッコリした白い防具が褌に見えるだけなのだが…。

相変わらず暑苦しくそしてやっぱり顔が近い、ドゥティからの通信は敵の妨害電波で途絶えた。

「ふむ、好都合だな。」

先程のヒャクメルゲとの戦闘とは打って変わって、余裕ありげに呟いてみせる。
ヴァギナのどアップの次にドゥティの雄臭い筋骨逞しい肉体を見た事で中和されたのだろうか。

とにかくダイダイオに横やりを入れる者は居なくなった。
ダイダイオはまずは目の前の滞空機雷の1つに狙いを付ける…が止めた。
あからさまに突出しすぎていて、トラップか囮のように思えたからだ。
やりにくい、ダイダイオはまたもそう感じた。
罠が張り巡らされ満足に動けず、機体性能を生かしきる事が出来ない。
ダイダイオは一旦後退、そして機体を大きく右に旋回させて3つの滞空機雷の裏へと回り込ませる。
コーンドライブのおかげでかなりの速度が出る。
デコイの群れのいくつかが眼下に見えた。

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