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神装機伝アハトレーダー
官能リレー小説 - SF

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神装機伝アハトレーダー 27

ダイダイオのカターリナに残った兵装は30mmハンドガン、そして12.7mm頭部機銃と超合金サーベル。
標準装備の40mmバトルライフルは弾薬を使い果たし放棄していたが、グラス号の前面装甲は30mm砲弾の一撃で易々と抜ける。
渚機に至っては火器もなく機体半壊、所々の装甲を剥がし軽量化、当たり所次第12.7mmでもまずい。

二足歩行と棒きれを振り回す程度は知恵を付けた、火の扱いさえ知らぬ類人猿。
ダイダイオはその程度の相手と判断していた。
ロックオン、回避動作まで計算に入れた三点バースト。

それが当たらない、旧式機にあり得ない反応速度、一瞬モニターから消えた渚機が再び現れる。

「なん…だと?」
「グラス二式をなめるなぁあああ!」

そして鉄骨による金的、人型兵器とて股間は急所に含まれる。

この攻撃でカターリナは大股を広げて吹っ飛んだ。股関節がどうにかなったようだった。
ヒャクメルゲの攻撃は続く。変形してしまった鉄骨で更に股間を殴りまくる。
ドルゲ怪人がオクトパスファンガイアを攻撃する構図だ。病気だ。
失明したバロム1だって、目が見えない事に感謝しながら逃げ出すだろう程。えげつない鉄骨の滅多打ち。

ゴマンダーお姉さまならつやつや陰核に波動砲二発で昇天する所だが、ダイダイオのRマシンはすっかり萎縮している。
鬼畜シューティングさえ霞んで見える、昭和特撮の生々しい恐ろしさがそこにあった。

それはそれとして実際の所、関節へのダメージばかりかコーンドライブの増幅機能まで低下。

ダイダイオは頭部機銃からなけなしの残弾を連射して牽制。
流石のドルゲ魔人…いや渚も自機の損傷は理解している。
多少鬼畜コンボが決まったからと深追いはしない、こちらは一撃かすめただけでも重傷なのだ。
カターリナがスラスターとホバーを吹かし離脱すると、軽快な動きで再び立ち上がる。

相手が悪すぎた。そうとしか言いようの無い病的な戦闘だった。
ガチムチで特に股間が強いドゥティだったら渚は返り討ちに遭っていただろう。
ドゥティの方もそうだ。
ダイダイオの機体なら女の気迫を受信する事も無かった。
ドゥティとダイダイオが逆の配置だったらうまく行っていたのだ。
予測不能な遭遇とはいえ、作戦の練り込みの甘さがめぐりめぐって悪い方に響いているとしか言いようがない。

渚の機体はカターリナ離脱時の発砲を被弾した。
バルカンが数発かすめただけではあったが、モニターの上3分の1が完全に機能を停止。センサーも一部が駄目になった。
もし、追っていたら致命的ダメージになっていたに違いない。
グラス弐式が軋み歪む音はコックピットにまで伝わって来る。
既に動かすだけで段々と自壊しているのではないだろうか。

四足機を二足機、教範に載っていても実際は、訓練ですら使われない運用方法。
十全でさえ機体剛性が不安とされ、更に渚機はやっつけ修理。
断線箇所を別回線で補填どころか、機体機能を守る装甲すらまともに施されていない。

「こっちは殆ど全裸だしなぁ…。」

寧ろお前様こそ、殆ど全裸のパイロットだろうが。
怖いもの知らずの雌獣がここに来てようやく、初めての戦場で弱音を吐いた。

対するダイダイオのカターリナは装甲(主に股間)こそ歪んでいるものの、ダメージ・コントロールを終え、機体各部から元の青い燐光を放っていた。

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