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神装機伝アハトレーダー
官能リレー小説 - SF

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神装機伝アハトレーダー 13

そのどこかパラノイアじみた管理社会、結果的に支配者が違うだけの話。

ゼイルが気に入らないならとっとと暗殺すれば済む話、ゼイルは人外であっても不死身ではないのだ。
この味木という男の最大の罪はゼイル暗殺が可能な立場でありながら、わざわざ戦争になってから謀反によって解決し頂点に立とうというダークヒーロー観。

色々抜けているにも関わらず味木は己の成功を微塵も疑う事はなかった…。


ー陸上自衛隊・習志野分屯地・人型装甲車試験中隊ー

習志野駐屯地と言えば関東における陸自の重要拠点のひとつ。
ただしこちらは習志野分屯地(架空)、自衛隊の人型装甲車(=人型兵器)部隊の実験場。
各国軍事組織でも建設業界と同じく『ウチだってロボぐらい持ってるよ!』という見栄を張りたがる風潮があった。

つまり技術力・経済力をアピールするためのお飾り、人型兵器という存在自体が示威行動以外では役に立たないという評価。
そもそも機体は異世界流出の旧式機レプリカ、パイロットはロクに適性がなくとも取り敢えず操縦出来れば採用。

この習志野分屯地だって勤務する隊員はパイロットや整備班その他後方支援を含めても五十人に満たない。
僻地のレーダー基地か補給拠なみの規模である。

そしてここでは恐ろしい事に自衛隊タダメシ上等(実際には給料天引き)の隊員食堂すら存在しない。
基本は工事現場よろしく出入り業者の仕出し弁当、さもなきゃレトルトや缶詰レーション、休暇外出で材料を買ってきて自炊。

文字通りの冷や飯食い、だがここに一人だけ何故かテンションMAXな奴がいた…。

「ファックしてやるぜベイビイィィィ!」

片や四足歩行の自衛隊機09式人型装甲車グラスホッパー…通称グラス号。
対する類人猿のような在日米軍のヒューマノイドタンクM1サウスパーク。
全高十mの人型兵器ニ体、大地をリングに唸る技、ただし一方的に。

「せんせー!ファックってなーにー?」
「みみみ皆…見るんじゃありません!」

地元の小学校で社会見学に来る程度の演習、サウスパークの背後に組みついたグラスホッパーが激しく前後に動く。

「変態だ!ケニーの機体がレイプされてる!」
「ファッキューバスタード!あの人でなし!」

米軍スタッフからの罵声を浴びながら、今度はマウントで押さえ込んだグラス号が激しく上下に動く。

「伊庭3尉(少尉)、今日も安定のビッチだねミカりん。」
「うん、子供達の社会見学には早すぎだよねカズくん。」

中隊の偵察ヘリに乗る自衛官カップル、カズくん&ミカりんは上空から、隊長である伊庭渚(いばなぎさ)のグラス号を冷めた瞳で見下ろしていた。

オラオラと騎乗位でガコンガコン犯される米軍機サウスパークのカメラアイはレイプ目の様に輝きを失っている。
男のプライドをズタズタにされた彼は諦め切った様に無抵抗、機体が機能不全に陥る以前パイロットの心が折れたのだろう。

それはそれとして、伊庭渚という女性自衛官の操縦技術は相当なモノであった。
異世界ではとうの昔に退役した旧式機の地球製レプリカ、一応上半身こそ人型ながらバランサーの関係で下半身は四足。
彼女はグラスホッパー(バッタ)というよりもカマキリの様な機体を器用に扱っていた。

「メ・ガリマ・バみたいね…」
誰かがつぶやく。ある特撮に出てきたカマキリの怪人の名だ。
グラスホッパーの右手には両端に大きな鎌の様な物を付けた武器があった。
特注のワンオフ物だ。確かにその武器は、その怪人が持っている武器に似ていなくもない。
その言葉を発した人物は、一方的にやられる男が気の毒になったらしくそそくさと立ち去った。立ち去る後ろ姿にうっすら黄色く発行する紋章が浮かび上がったが、誰も気づく事はなかった。

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