PiPi's World 投稿小説

幼魔鬼譚〜悪戯好きのアリス〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 96
 98
の最後へ

幼魔鬼譚〜悪戯好きのアリス〜 98

紅夜叉は咳込み、口の端に垂れた炬俐の精液を拳で拭うと口元から拳にかけて白い糸が伸びた。
紅夜叉はそれを見ると何気なく舐めとった。
「くっくっく、いい感じに脳みそとろけてきたようじゃないか。いいぞいいぞ。もっと味わえ」
蛇は炬俐の下半身をいまだ衰えぬ剛直を再度紅夜叉の前に突きだした。
「ほら、聞きたいんだろ?“あいつ”のことを。だったらもっと頑張れ」
紅夜叉は炬悧の顔を見る。
酒が効いているのか起きる気配はない。
(携帯が起爆装置なのか?だったら取り上げれば…。いや、起爆装置は受信側の電話機か何かか?
いっそ、海に逃げて爆弾のことを知らせに…。だめだ、起爆させない保証がない。
…ちくしょう!)
いくら考えてもいい考えが出てこない。普段の頭で考えても出ないだろうに、毒でクラクラしているからなおさらであった。
「ほら、早くしなっ。もう一回イカせられたら、あいつの名前教えてやるぞ」
 やる気を出させる為か、蛇が中々動こうとしない紅夜叉の耳元で囁く。
「ほ、本当だな」
「あぁ、だから早くしなっ」
 今一信用できないが、このまま何もしないでおくよりマシかと、紅夜叉は目の前の剛直に再び手を伸ばした。


―――その頃・菊名の乗ったクルーザー―――

「んっ、んんっ……ここは…」
 船倉で、菊名が目を覚ました。
 黒服の一人が哀れに思ったのか、体には白面の赤いコートが掛けられている。
 暗い船倉の中で、菊名が目を覚ました。
 黒服の一人が哀れに思ったのか、体には白面の赤いコートが掛けられている。
 起き上がろうとするが、足に力が入らずまた崩れ落ちてしまう。
「クソッ!……ここは何処や?」
 と、そこへ扉の外から、見張りの男達の話声が微かに聞こえてきた。
『……まったく………娼婦ども………赤千穂と……』
『さぁ………もう終わり………爆発………後10分…』
 断片的に聞こえる言葉を繋ぎ合せた結果、どうやら菊名の仲間達と、赤千穂の手下が同時にホテルを襲撃した事。
 そして仕掛けられた時限爆弾で、もうすぐホテルが爆発するという事がわかった。
「エライこっちゃ……はよ連絡せんと……」
 横になったまま、菊名は白面のコートをまさぐる。
 黒服達はロクにチェックをしなかったのだろう。
 菊名がコートの内ポケットから取り出したのは、白面の携帯電話だった。
 

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す