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ピピの錬金術士 ビリーのアトリエ
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ピピの錬金術士 ビリーのアトリエ 67

「ちょ…ちょっと待て!それは関係ないだろう!?」
ミザリィの厳しいツッコミにたじろぐフリッツ。
「そんなこと言ってフリッツ様、本当はすべり台作れないんですのね」
「でもブランコくらいなら頑張れば作れそうですわ」
「遊具から離れろ!!僕はね、ここを拠点にしてボルゲーノの行方を探したいと思ってるんだ。鬼族の再興は彼抜きにしては成し得ない!」
「フリッツ…そうね、確かにそうだわ」
ビリーは深く頷いて言った。
ここに来てからというもの、つかの間の平和な日々の暮らしの中で忘れかけていたが、自分は族長代理なのだ。
ボルゲーノがいない間は鬼族を導き、そして守っていく責任が自分にはある。
「再興かぁ…そんな面倒くさい事は放っといて、ここを楽しく暮らしやすくする事を考えようよ〜?」
ミザリィは不服そうだ。
アリリアーナとバレッタは小声で話し合った。
「フリッツ様がお父様を探し出したい理由は鬼族の再興だけではないようですわね、バリー」
「フリッツ様はお頭に対して“個人的に”言いたい事があるようですわね、アリー」

そんな事をしていると、ノックの音がした。
「お客様ですわ」
戸を開けると、そこに居たのは三人の獅子頭の男達だった。
一人は士官、残り二人は兵士だ。
「ビリー殿、フリッツ殿もいらっしゃいましたか。グレンバラン様がお呼びです。至急ガヴァロ城までお越しいただきたい」
「何でしょう?」
「表に馬車を待たせてあります。詳しくは車内でお話ししましょう」
「……?」
ビリーとフリッツは馬車に乗り込んだ。

ガヴァロ城砦に向かう馬車の中、ビリーとフリッツは男から話の詳細を聞いていた。
「実は、ピピとの戦に備えて魔王都より我がタラントの所領に派遣されている一軍がおりまして、その司令官が是非ビリー殿とフリッツ殿に会ってお話ししたい事があると仰せなのです」
「あ、それでグレンバラン様が場を設けてくださったのですね。ん〜…でも魔王様直属の軍の将軍さんが私達なんかに何の用なのかしら?」
「だいたい分かるよ…」
フリッツは溜め息混じりに言った。
「つまり、魔王宮まで来て魔王様に一言ご挨拶申し上げろと言いたいんだろう…。僕らは“居候”だからね。やっぱり一番エラい人から居住のお許しを得ないといけない」
「グレンバラン様じゃあダメなの?」
「友達の下宿部屋に転がり込むようなもんだよ。しばらく住むなら“部屋主”ではなく“家主”に一言ことわらなきゃダメだろ?」
「ふ〜ん…そういうもんなのかしらね?」
「まあ、面倒くさい手続きかも知れないけど、魔王国で平穏無事に過ごしたければ必要な事だよ」
そんな話をしながら馬車の外を見るビリー。
今の彼女の格好は、鬼族の女性達が心を込めて用意した族長婦人の正装である。
いつものシンプルな腰巻と違い、色鮮やかな刺繍の施された腰巻と様々な装飾品。
子持ちでしかも最近散々吸われ(獅子族の力強い赤ん坊に)続けている爆乳は、何の支えもなしに綺麗な丸い形を維持し、それを誇るように乳首に金の乳飾りをあしらっていた。
フリッツも驚いたが、ビリーは族長婦人として相当に慕われ便りにされているようで、着の身着のままの鬼族の女達は、喜んで夜なべで彼女の正装を作り上げていたのだ。

この常に胸を出す鬼族のスタイルに獅子族もさぞや驚くだろうとフリッツもおもったのだが、意外に反応は普通であった。
彼らも逞しさを男女同様誇示する為に頻繁に力比べをするらしく、豊穣の象徴たる爆乳を堂々と誇示する鬼族の女性の風習にむしろ好感を持ったらしい。
鬼族的には隠す方が恥ずかしい上に視線を胸から反らすのは非常に失礼(フリッツも慣れるまでよく怒られたが)、むしろ触って褒めると喜ばれるので、獅子族は男女共にすんなりと触って褒めたりしている順応ぶりも驚きだった。

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